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『教育』2017年01月号No.852

『教育』2017年01月号 No.852

『キョウイク』2017ネン01ツキゴウ No.852

編著者
JAN
491-012835-017-7 00667
判 型
A5判
ページ数
112頁
発行年月日
2016年12月 
価 格
定価(本体価格667円+税)
ジャンル



※定期でのお申し込みは『教育科学研究会』様からご注文下さい。

特集

特集1:
子どもが子どもである時間
特集2:
「周辺化」される子どもたち

とびらのことば

かけがえのない子どもの時間を
いま子どもの時間は、何かに急かされるように、奪われ、切り捨てられ、あわただしく消え去っていくようにみえる。子どもは、かけがえのない自分の時間をたっぷりと味わい、過ごすことができているだろうか。
放課後の教室から子どもたちの声が聞こえてくる。「今日遊べる?」「15分ならね」「下校のチャイムが鳴るまで少し時間がある。サッカーをしようぜ」「ごめん、俺、今日習い事があるんだ…」「じゃあ、明日またね…」。
サッカーに興じた子どもたちもわずか20分ほどの遊びを楽しむと、下校を知らせる放送の合図を聞いて校庭の隅に置いてあったランドセルを肩に各自の世界へと帰っていく。切り刻まれた時間のなかへと……。
そして学校のなかで、子どもにとって大切な時間や休み時間が奪われていく。「大好きな20分休みに体力づくりの縄跳びを入れるなんて、大人は勝手だよ」と抗議の声をあげる子どもたち。いま学校は、子どもの成長・発達の権利を無視して、さらに授業時数を増やそうとしている。
幼い子どもたちもまた、競争主義や能力主義が支配する社会を生き抜くために、あたかも「投資」するかのように「未来を先取り」し、各種の「能力」を手に入れるために必死で生きることを強いられている。「死んでやる」「ぼくなんか生きていたってしょうがない」「死ね!」「消えろ!」──。日本の各地から、そうした子どもたちの生きることに対する悲しみの声、憤りの声が聞こえてくる。存在を肯定し、未来を生みだす真に豊かな〝子どもの時間〟を子どもたちに手渡したい。

編集後記

◉特集1に寄稿してくれた内山氏からは、誰かに頼りにされて子ども時代を生きることの大切さを、村中氏からは、子どもがゆるやかな「まわり道」の時間に浸りながらじっくりと自分の世界をつくることの意味を教えられた。
 子どもを生き急がせ、いまを犠牲にしてでも、未来に備えるための教育や子育てが標準化された日本社会に対する両氏の問題提起の意味は重い。
◉一方で、特集2での諸報告には胸が締めつけられる思いだ。障がいがあるから、外国籍だから、家庭が貧困だからという理由だけで、ここまで子どもが傷つけられてもよいのだろうか。充実した子ども期とは対極の状況におかれている子どもたちのつらさや困難を、私たちがどう受けとめ、どこ
から問題を切り開くのかという深刻なテーマを考えさせてくれる。
 これは、経済的効率を最優先課題として、人間の尊厳を奪い続けてきたこの国のあり方と密接に結びついている。そして、人々の多様な個性を値踏みし序列化するだけでなく、それを差別の理由としてはばからないような心性を人々に植えつけてきたシステムをいまこそ問題にしなくてはならないという思いで本号を編集した。
◉同時に、この抑圧システムに抗い、そこに風穴を開けようとする取り組みがあることに希望があることも確認しておきたい。それは二つの特集のなかで発達援助者たちが表明している苦悩と、それにもまして子どもたちの「いまを生きる」を保障しようという地道な努力のなかに表れている。

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