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『教育』2017年05月号No.856

『教育』2017年06月号 No.857

『キョウイク』2017ネン06ツキゴウ No.857

編著者
JAN
491-012835-067-2 00667
判 型
A5判
ページ数
112頁
発行年月日
2017年05月 
価 格
定価(本体価格667円+税)
ジャンル



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特集

特集1:
相模原事件は問う
特集2:
実践記録 書いてみた・読み解いてみた2

とびらのことば

優生思想の淵を覗く
2016年7月19日深夜、神奈川県相模原市にある津久井やまゆり園で生活する多数の障害者たちが、元職員である一人の男性の手によって殺傷された。
この事件の背景を構成するものの中心に、優生思想があることが指摘されている。優生思想は、人間の存在そのものを価値づけ、優劣で選別するところに本質をもつ。私たちが毎日生活を営んでいるこの社会のさまざまな局面に、その優生思想が根を強く張っているという事実に、どれだけ多くの人が気づいているのだろうか。さらに教育の世界でも、人間を日々選別する思考様式と制度に慣れ親しむという土壌が形成され、そこに優生思想の種が蒔かれているかもしれない、という受けとめ方がどれだけなされているのだろうか。
事件そのものはひとりの青年によって引き起こされたが、その後、社会では、施設管理や「措置入院」の問題等に矮小化して語られ、かつ的はずれな方向で「対策」が進んでいる。私たちが、この事件から むべき教訓は何か。それは、人間の存在と人間性に対する深い洞察の問題として事件を把握すること。そして、人間の尊厳の思想を徹底的に鍛え直すことだ。そこに未来を切り拓く「希望」を見出すことしか、私たちの生きる道はないのではないか。
「事件」が投げかけた優生思想の淵を覗くことを通じて、日本社会と教育をあらためて問い直したい。

編集後記

◉ 相模原障害者施設殺傷事件からもうすぐ1年を迎える。事件の悲惨さと被告の若者の異常な性格は何度も報道された。しかし、事件がなぜ起きたのか、このような若者を生みだし、今後も生むかもしれない社会と教育を点検する作業はあまり行われていない。これをふまえて特集を組んだ。
◉特集の論文を読んで、この問題の難しさをあらためて思い知ったというのが率直な感想だ。竹内論文が指摘するように、優生思想が近代民主主義思想のなかにさえ巣食っているという事実がある。それはけっして過去のことではなく、私たち自身の「健全」観念のなかにもさまざまなかたちで宿
っている。発達と成長、健康を「善きもの」とする教育と福祉こそが、この呪縛に囚われやすいという自覚をまずはもつことが必要だ。
◉一方で原田論文や境屋・荒巻対談は、問題への向き合い方に対する示唆を具体的に与えてくれている。それは単純なようだが、固有名詞でもっと知り合うことのなかにある。そのことを通じて、「健常者」と「障害者」という区分けではなく、異なる個性をもつ人間として互いを認識し、共感をつくりだす可能性がある。
◉特集2は、比較的若い教師の実践記録を読み解くというものであるが、どの実践も、子どもたちの成長を願い、励ますとともに、「いまのあなたもすてきだよ」という、子どもの人間存在に対する絶対的な肯定を内包していることがわかる。評者たちもこれを読み解き、教育実践に求められるもっとも重要なことをあらためて提起している。特集1と通底する思想がここにある。

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