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『教育』2017年10月号 No.861

『キョウイク』2017ネン10ガツゴウ No.861

編著者
JAN
491-012835-107-5 00667
判 型
A5判
ページ数
112頁
発行年月日
2017年09月 
価 格
定価(本体価格667円+税)
ジャンル



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特集

特集1:
どうする教科「道徳」
特集2:
子ども食堂「ブーム」を超えて

とびらのことば

教科「道徳」への対抗と創造
検定合格の道徳教科書には、「規則を守れ」「社会に迷惑をかけるな」「国家や共同体のために生きろ」などのメッセージが、詰め込まれている。その背後には、苛酷な新自由主義の競争社会を自己責任で生きていく構えと、軍事力を高める危険な国家政策さえ、日本という「共同体」の営みとして受容する態度を求める意図が据えられている。
正しい生き方はすべて道徳教科書が示す「規則」に示されているのだから、問題が起きるのは本人のいたらなさだと断じられ、自己責任を果たす人間になれとくり返し要求される。そうなれば、子どもたちは、社会の側の非人間性を読み解き、変革する主体になる筋道を閉ざされ、教科書が提示する正解の「徳目」を演じる「よい子」になるほかなくなる。
非人間的な土台をそのままにして、規則で子どもを徹底して縛れば表面上問題を抑えられても、抑えきれない 藤が爆発したり、自己への絶望に支配される子ども・若者が続出することになる。さらには、他者への攻撃性と支配の欲望がうごめき出し、他者や社会への怒りや拒絶、逃避が蔓延するだろう。いやすでにそれが現実のものとなりつつある。
子どものなかに道徳性を打ち立てようとするならば、教師は、子どもの内面世界に降り立ち、未来への希望をつかもうとする必死の思いに寄り添い、それをともに拓こうとする子どもと教師との共同をつくり出すことが不可欠である。道徳性とはみんなとともに生きるためのよりよい方法を見つける力量なのだから。

編集後記

◉「拝啓、安倍晋三様。あなたの念願であった特別の教科『道徳』が実施されます。ところで、ご自身の道徳性の発達はいかがでありましょうか? 私には小学校1・2年生で扱う『友達と仲よくし,助け合うこと』を除いては、充分発達しているとは思えません。特に同じ1・2年生で扱う『うそをついたりごまかしたりしない』は落第点ではないでしょか」。こんな手紙の一つも書きたくなる現状での実施である。
◉特集1は、特別の教科「道徳」について教育学的批判を行った。主要な論点は、このままでは、中教審で議論された「考える道徳」とは正反対に、子どもにものを考えさせない手段として機能するということである。これを、それぞれの論者が多様な切り口から明らかにした。たとえば奥平論文は、牡会的価値規範を踏まえつつ価値選択の自主性を保障することが知的な営みであり、それこそが「教育の原理」でなければならないことを論じている。また原田論文は、日々の学校生活や授業のなかで起きる対立や 藤を通じて生まれる「なぜ」をめ
ぐって語り合うことで、道徳は常に更新されていく事実を実践的に提出している。
◉しかし、鈴木・福島論文が明らかにしたように、中教審の議論さえ無視して進められた教科書検定のやり方などを見る限り、私たちの教育学的批判は、安倍氏とその周辺の人たちには届かないだろう。
◉第2特集には詳しく言及できなかったが、現在の権力の道徳性の低さを象徴するもののひとつが「貧困問題の放置」だ。その対極に「現場」でこの問題と格闘し、社会に発信している人々がいる。ここにこそ私たちが学ぶべき道徳がある。

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