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『教育』2017年12月号 No.863

『キョウイク』2017ネン12ガツゴウ No.863

編著者
JAN
491-012835-127-3 00667
判 型
A5判
ページ数
112頁
発行年月日
2017年11月 
価 格
定価(本体価格667円+税)
ジャンル



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特集

特集1:
「ブラック企業」社会に教育は・・・
特集2:
生きさせろ#最低賃金を1500円に

とびらのことば

個別化・自助努力に抗う主体の形成
「ブラック企業」という言葉が広まってから、もう随分と年月がたっているが、事態は収まるどころか、いっそう厳しさを増している。
その改善のためには、まず何よりも、各種労働規制や社会保障の充実など政策課題がきわめて重要であるが(企業行動を野放しにする労働政策もあれば、ブラックな労働を強いる委託・補助金行政の問題もある)。だが同時に労使間の力関係が圧倒的に不均衡な状態になり、こうした企業を温存させてしまっている社会的な土壌にも注目していくことが必要である。
そこに目をやると、さまざまな競争(学力競争、受験競争、シューカツ競争、企業間競争、国際競争……)に打ち勝っていくためには、まずはその現場にうまく適応し足並みをそろえるとともに、努力を厭わず自らの力量を高め続けていくことが必要だという強固なイデオロギーがみえてくる。これはもちろん企業側から発せられるメッセージでもあるが、実は教育現場においても強く広がっている問題でもある。
こうした問題の土壌を超え出ていくためには、「個人の選択」に矮小化されがちな「キャリア教育」を超え、主権者教育や生活指導実践も含みつつ、他者とともに生きていくための術を獲得していくという教育課題が不可欠である。本特集で主要な課題となっているのは「労働の問題」であり、主要には青年期が対象となるが、その射程は幼少期からの教育・経験のあり方にも及んでいく。読者にはぜひ、そのような読み込みをお願いしたい。

編集後記

◉今月は、労働・雇用問題、賃金問題を通して教育のあり方を考えた。青年期教育にかかわる高校や大学教員以外にとっては、「遠い」問題にみえるかもしれないが、二つの特集を通して読めば、他人ごとではないと思ってもらえるはずだ。
◉ブラックな働き方をさせる企業が後を絶たず、それを放置するどころか、むしろそのような企業の側に立って便宜を図る政治と行政。さらには、乾論文をはじめ多くの論文が指摘するように「きつい仕事でもとにかく正社員でがんばれ」と教え込んできたキャリア教育の問題点。「うまくいかないのは自分の責任」だとするイデオロギーを注入する教育は、キャリア教育や進路指導の問題にはとどまらない。日本の学校教育全体の根本問題にかかわっている。
◉特集2はエキタスが、「最低賃金1500円要求」を掲げた運動から注目された問題を取り上げた(藤川論文)。「誰もが働いて生きていける」社会を求める取り組みは、賃金にとどまらず、福祉をはじめ社会のあり方にも大きな影響を与えるはずだ。
◉この主張にネット上では「いいね」が広がる一方、「働いてから文句を言え」「会社がつぶれたらどうする」などの批判も出たという。まさに特集1で問題にした「自己責任」イデオロギーの根深さがわかる。
◉こうしたなかで菅間論文に登場するR君の「働いた分の賃金を払ってほしい」という素朴な闘いや、エキタスとともに多様な活動を展開するユニーク(小林論文)ら、若者たちが自己責任論の呪縛を乗り越えて進む姿は、私たちに勇気を与えてくれる。

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