「京都から知的発信」を創業の精神に、全国の良書を送り続けてきました。「元気印の出版社」と評価されています。


ご注文は送料無料でお届けします!

『教育』2018年08月号 No.871

『キョウイク』2018ネン08ガツゴウ No.871

編著者
JAN
491-012835-088-7 00667
判 型
A5判
ページ数
112頁
発行年月日
2018年07月 
価 格
定価(本体価格667円+税)
ジャンル



※定期でのお申し込みは『教育科学研究会』様からご注文下さい。

特集

特集1:
新学習指導要領と学力、「資質・能力」
特集2:
神奈川の教育と教育運動

とびらのことば

世界と自分を変革する主体を育てる
私たちの社会は、一体どこに向かおうとしているのか。人間として生きる筋道が囲い込まれ誘導されているなかで、子どもたちはあてがわれたゴールにどれだけ早く効率的にたどり着くかにエネルギーを注ぎ込まされている。こうしたあり方に誰もが不安を抱えながらも、際限なき競争に人々を駆り立てる巨大なベクトルを制御する力を見出せないままに、現代とい
う時代が展開する。
グローバル資本の自己肥大化欲求が、人間の人格のなかまで入り込み、そのもてる諸力を限界まで活用し、搾り取ろうとしている。教育にこうした機能を背負わせるべく、「資質・能力」規定が組み込まれた。しかし、社会を危うくするこのような力に対抗して、世界に対する変革的主体性を立ち上げる力量が人格のなかに培われてきたのではないか。
人間とは何か、生きづらさがこみあげてくるのはなぜなのか、なぜ「私」の願いを貫いて生きられないのか。この思いに立ち戻り、自分の知、価値の感覚、感情、身体感覚、自己の尊厳への欲求に問いかけ、現代を閉塞させる認識の壁を突き破り、思いを互いに聞きとれる声に高めていきたい。教育が、そのような働きかけを行うとき、子どもの人格の主導のもとに、諸力が──学力を含んで──、現代と時代を切りひらく主体性へと統合され、人間的な「資質」や「能力」が引き出されるに違いない。
本特集では、学校をそのような場につくり変えるための教育がいかなる理念、内容・目標、方法によってつくりだされるかを明らかにしたい。

編集後記

◉ 特集1は、2年後に全面実施される学習指導要領を取り上げた。
◉池谷論文は、「特別の教科 道徳」の本質を自己責任の強制と社会への奉仕、そしてジェンダー家族の維持を目的とするものと看破し、「考え、議論する道徳」という謳い文句にすら逆行するものと厳しく批判した。また、子安論文は指導要領で推奨される探求学習の革新性は認めつつ、「資質・能力」論ベースの下ではパターン化し、形骸化することを指摘する。さらに、折出論文は、指導要領が求めているものは、人格を無視した「資質・能力」のスキル化であり、国家による人格の管理・統制に道を開くものであると警告している。
◉本田・河合論文はそれぞれ算数・数学、高校社会科の具体的展開に即して、指導要領が謳う「主体的・対話的で深い学び」どころか、実際には子どもの実感や思考の発展とは相容れないことを明らかにした。
 そして、佐貫論文は、こうした「資質・能力」論がなぜここまで強調されるのかをグローバル資本の展開過程とかかわらせて説明するとともに、人間を育てることの意味を取り戻すたたかいを提起している。
◉教科研内外で教育方法・教育課程論を理論的にリードしてきた論者たちによる読み解きは、読みごたえがある。学習指導要領の各論的な批判はもちろん大切だが、大きな枠組みで問題をとらえることの重要性をあらためて感じる。
◉特集2は、今年の大会が開かれる神奈川県の抱える諸問題を提起した。これらは神奈川県だけの問題ではなく、私たちがともに考えなければならないテーマでもある。

ご感想をお聞かせ下さい

この書籍へのご感想をお待ちしております。
※お寄せいただいたご感想の著作権は小社へ帰属し、当ホームページや小社出版物に転載させていただく場合がございます。
※ご感想への返信はいたしておりません。ご了承下さい。ご質問・お問い合わせはこちらからお願いします
※ご記入いただいた個人情報は、返信・連絡などの目的以外に使用したり、本人の同意なしに個人が特定できる形で公表することはございません。

関連情報

現在はありません