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『教育』2018年10月号 No.873

『キョウイク』2018ネン10ガツゴウ No.873

編著者
JAN
491-012835-108-2 00667
判 型
A5判
ページ数
112頁
発行年月日
2018年09月 
価 格
定価(本体価格667円+税)
ジャンル



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特集

特集1:
ねらわれる幼児期、子育ての不安
特集2:
どう変わる?プラットフォーム/チーム学校

とびらのことば

子どもの生に目を向けた子育てを
近年、乳幼児期は世界的にその重要性を指摘されている。幼少期に身につくとされるコミュニケーション能力などの社会的スキルが市民権を得つつあり、一方では「初期投資」の合理性が説明される。他方では家庭教育「支援」と称した法案や条例が家庭役割を事細かに定め、子育ての「自己責任」を強める風潮すら感じられる。
乳幼児期の発達や学習の重要性を論じる文献は、枚挙にいとまがない。そのなかには、「幼児期を過ぎると手遅れ」だと強調しつつ、国の伝統を守り国民としての誇りをもった子どもを、労働市場に人材として送り込むことを喧伝する思想に連なるものさえある。この「脅し」ともとれる論調は、「子育ての第一義的責任」を負う保護者(親たち)にプレッシャーをかける。早期教育の加熱は、「最善の利益」が重視されるはずの子どもたちを、より早い段階から生存競争へと駆り立てていく。
しかし、本当にそれでよいのだろうか。競争社会を生き抜いてそこに貢献する「生産性」というものさしは、人を序列化し価値のない人間を排除する。そのような社会で、人は生をまっとうできるのか。子どもの発達段階に応じた生があってこそ、人は人間として生きられるのではないだろうか。保育指針・教育要領・保育教育要領の今次改訂を機に、子ども期の意義と保育のあり方を、あらためて模索しなければならないのではないか。
人間の尊厳を保障する観点から、就学前の子どもたちへの働きかけについての理論と実践を編み直していく、いまが好機であろう。

編集後記

◉ 夏の大会は550名を超える参加で大いに盛り上がった。しかし議論は、大会テーマ「子どものしあわせ、おとなもしあわせ」とはほど遠いところに私たちがいることをあらためて確認せざるをえなかった。
◉特集1は、大会テーマを直接反映する「子育て問題」を取り上げた。小学校の教師でもある深田さんは、もっと自由に子育てしたいという親たちの本音を阻む社会システムに抗することがいかに難しいかを具体的に明らかにしている。「学校に入ったときに困るよ」のたったひと言が多くの親にのしかかっているからだ。しかも藤間論文が述べるように、「子育ては家族で」という近代日本の「伝統」が、自己責任論によって一層強化されている現状もある。
 浜谷論文は、そのような雰囲気を醸成する土台になっている学校文化の現在を鋭く見抜いている。そして限界や課題をもちつつも「子どもの充実したいま」を保障しようとする北欧スウェーデンの子育てのあり方に私たちが学ぶものがあるとする。
◉特集2は、この状況のなかで学校が本来果たすべき役割を明らかにしようとした。
◉この編集後記をフィンランドで書いているが、ここでは子どもが生まれたときに国からおむつや肌着、それにベッド代わりになる段ボール箱が送られる。これらはどんな家庭でも生まれたての子どもを育てることができるようにするためのものだ。もちろんそれと同等の金額を受けとることもできるのだが、ほとんどの親は記念として「赤ちゃんキット」を選択するという。みんなで子育てをしましょうというメッセージを共有していることの表れだと思う。

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