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『教育』2018年12月号 No.875

『キョウイク』2018ネン12ガツゴウ No.875

編著者
JAN
491-012835-128-0 00667
判 型
A5判
ページ数
112頁
発行年月日
2018年11月 
価 格
定価(本体価格667円+税)
ジャンル



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特集

特集1:
実践記録 書いてみた・読み解いてみた3
特集2:
若者にとっての現代

とびらのことば

教育実践は逡巡とともに進む
「私がしたかった授業はこんなのじゃない」。夜遅くにかかってきた電話でこんな言葉を聞きました。校内研究の事前検討会で、ある学習スタイルで授業をするようにいわれた2年目の教師からでした。
「教育実践記録」として形になるものは少なくても、教師たちは日々教育的営みを紡いでいます。しかし、その日常の教育的営みは、校内研究のためであったり、学力調査の結果に対応する授業であったり、ゼロトレランスのように問題行動の数的削減から要請されるものであったりすることが多くなってきています。子どもの暮らしや、子どもの願いから教育実践を構想することは、いまの学校現場では大きな困難を伴います。
特集タイトルには軟弱なニュアンスを醸しだす「てみた」の3文字。
ちょっとこんなこと考えてやってみたんだけど、毎日子どもとのかかわりで苦労していてそれをちょっとしゃべってみたら、それいいね、今度レポートしてみたらといわれて、実践報告を書いてみたんだけど……。
教師たちが実践を書くまでの逡巡から一歩踏みだす支えとして「てみた」の3文字があるように思われます。
この3文字は若手研究者にとっても支えとなります。エビデンスにもとづく考察やフィールドワークからの分析といった研究の枠組みとは違う、教師たちの逡巡も含めて実践の意味を考える試みだからです。
いま、教育実践記録を書く・読み解くとはどのようなことなのか、あらためて読者のみなさんと考えていきたいと思います。

編集後記

◉特集1は第3回「実践記録 書いてみた・読み解いてみた」とした。教育実践を
研究基盤とする教科研にとっては欠かせないものだからだ。
◉自らを「問題児」と呼ぶリュウの問題行動のなかにすら彼の成長の芽を見つけ、彼を支える仲間を見出す手だてを構想する仲村実践。「大豆」をさまざまな角度から学習して学習と生活意欲を広げ深めることをとおして、生活単元学習の意味の問い直しを提起する吉岡実践。「授業が勝負」とばかりに、子どもが自分と向き合い、子ども同士の関係を編み直す授業の可能性をみせてくれる鈴木実践。困難を抱える子どもだけでなく、その困難を前にして不安を覚えている親を支える穂高実践は、教育実践概念の内包と外延をどこに定めるべきなのかという問題提起も含んでいた。
◉これらの教育実践記録を読むと、日本の教師たちの子どもを受容し、一人ひとりの課題に寄り添う姿勢と力量を思い知る。
 たしかに、中村論文がいうようにスタンダードや学力テストによって、教師の教育の自由は大きく制約されている現実はある。しかし、その状況に置かれても、教師は目の前にいる子どもの事実から出発する教育実践を紡ぎだす。現実の教室にはたくさんの「リュウ」や「チカ」、そして「ショウ」がいるからだ。それはスタンダードや学習指導要領の強制とは相容れない。教育実践を記録し、批評し、共有すること自体が、スタンダード・学力テスト体制のリアリティのなさを告発し、その非教育性を乗り越える実践であることを確認したい。

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