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『教育』2019年01月号 No.876

『キョウイク』2019ネン01ガツゴウ No.876

編著者
JAN
491-012835-019-1 00667
判 型
A5判
ページ数
112頁
発行年月日
2018年12月 
価 格
定価(本体価格667円+税)
ジャンル



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特集

特集1:
書く・描く・語る表現のある教室
特集2:
災前と災後の教育を考える

とびらのことば

子どもの表現を引き出し、受けとめる
学校での子どもの学びは、ともすると「未来への準備」という文脈で語られがちです。しかし、子どもの学びの要求の土台には、いまを豊かによりよく生きたいという切実な願いがあるのではないでしょうか。子どもが孤立や不安や矛盾のなかで悩むときの「この気持ちをわかってほしい、自分のなかの譲れない思いを受けとめてほしい」という気持ちは人間本来の欲求であり、この欲求は、教師の共感と支援を得ることによって、自己を見つめ、他者とつながる主体的な学びを生みだします。
子どもがその思いを表現することに向かうためには、安心して表現できる環境と思いを受けとめてくれる他者の存在が不可欠です。作文教育はそうした書いて読み合う実践をとおして深い学びを追求してきたといえます。しかし、今日進められているICTなどによる学習の個別化や学力テストとスタンダードにもとづく指導は、自分の実感や感情を基盤とした表現ではなく、与えられた課題や規範に沿った自分を演じたりつくりだしたりするスキルとしての性格を強めています。
これまで積み上げられてきた表現指導の真髄は、子どもが他者の共感に励まされて内面の真実に向かい合い、その真実を自分のものとして表現し、他者とつながっていくことにあります。それは、子どもがよりよく生きたいという願いを引きだし、その思いをともに生きる関係をつくりだす教育実践の土台に据えられるべきものです。その技法をいまあらためて考え合いたいと思います。

編集後記

◉特集1は「書くこと」「表現すること」をテーマにした。子ども・若者の自由な表現が教室を満たしていくことの重要性を読みとってほしい。いま学校には、子ども・若者の思いを無視した「指導」と「覚えること」が横 しているからだ。
◉その意味で、宮田晃宏さんの実践記録の評価は分かれるところであろう。自ら「書かせる指導」というとおり、書くことを生徒に強制しているようにもみえるからだ。これに反発を抱く読者もいるに違いない。
 しかし、教え子であった田中さんは、宮田実践を「『自分にしかできない』ことをみつけてほしい」というメッセージとして受けとったという。学力や生活に困難を抱える生徒の表現を引きだすことで生き方を支えたいという宮田さんの意思があるからこそ成立する「強い指導」なのだろう。
◉佐藤敏郎さんの、俳句の授業を通じて現実と向き合おうとする中学生たちがつながっていった取り組みも私たちに言葉のもつ力を教えてくれる。同時に佐藤さんの「なぜ、(震災のことを)言葉にできたのか」という問いに生徒全員が「授業だから」と答えたエピソードも、「授業とは何か」をあらためて考えさせられる。
◉特集2の瀬成田さんの報告も、震災を経験した若者の語りを自分のこととして受けとめ、それを継承し自ら表現する主体へと成長していく中学生の姿が描かれている。
◉こうした子ども・若者の表現をどう受けとめるかが、私たちおとな・教師たちには問われている。学習指導要領は「主体的で対話的な深い学び」を強調するが、それを「かけ声」だけに終わらせるのでなく、本物にするための示唆がここにはある。

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