「京都から知的発信」を創業の精神に、全国の良書を送り続けてきました。「元気印の出版社」と評価されています。


ご注文は送料無料でお届けします

『教育』2019年06月号 No.881

『キョウイク』2019ネン06ガツゴウ No.881

編著者
JAN
491-012835-069-6 00667
判 型
A5判
ページ数
112頁
発行年月日
2019年05月 
価 格
定価(本体価格667円+税)
ジャンル



※定期でのお申し込みは『教育科学研究会』様からご注文下さい。

特集

特集1:
学校と地域の新しい関係
特集2:
市場化する学校

とびらのことば

地域の苦闘・葛藤を学びにつなぐ
地域の持続が困難な「限界集落」という言葉が登場したのはバブル末期の1991年であった。2017年に成立した過疎地自立促進特別措置法の対象となる、人口減少による生産機能・生活環境の整備が困難な過疎自治体は、全国1741自治体の実に47%に達している。
過疎自治体では、若者の居住を願って、地域高校に多額の予算を割き、学業補助金を出したり、民間塾に委託して受験学力獲得を後押しするなどの取り組みも試みられている。しかし、それだけでは、将来への見通しを失った地域から若者は離脱し、受験学力は「村を捨てる学力」化する。地域を人間の共同の基盤として持続させる見通しを奪われたままでは、日本社会の持続そのものが危機に直面する。
いま、地域持続の生命線を守ろうとするぎりぎりの苦闘が行われている。地元での仕事の保障と魅力の創出、福祉や医療の持続……。そこには、地域持続への熱い願い、論争、矛盾、 藤が渦巻いている。重要なことは、地域のこの苦闘・ 藤と子どもの学びとが結びつくなかでこそ、学校は、地域の現実に密着した、未来への見通しと希望を見出す学びをつくりだすことができるということである。
そのような教育が構想されるとき、地域はその持続を担う主体を育てることができ、学校は、地域に根ざす学力の探究に向かうことができる。この地域と学校の新しい共同的な関係を、切りひらいていきたい。

編集後記

◉ 地域間格差はこの20年間に急速に広がり、しかもそれが当然であるような言説が流布され、そこに住む人々や若者たちの生きる希望を奪ってきた。東日本大震災の被災地に象徴されるように、資本にとって利益があるとみなされるものには、政府が率先して政策化し便宜を図る一方、そこに住む人々が望むことは顧みられない「地域の地方化」がいっそう進んでいる。
◉特集1はこうした「地域と教育」の危機と希望を探ってみた。大口論文の「過疎化が進行し、疲弊の一途をたどる現状のなかで根ざすべき地域がどうなるのか、不安でたまらない」思いは、ほかのどの論文からも読みとれる。
 しかし同時に、悲観的にしかみえない地域の現実と未来について「当事者」たちは、別な見方・感じ方をしているということもわかる。鈴木論文が明らかにしているように、地域の「お金に換えがたい豊かさ」が人々の生活を支えているという事実は重い。そして、重要なことは学校がその紐帯になっていることである。その意味では「地域あっての学校、学校あっての地域」の意味と意義をよりいっそう明らかにしていく必要がある。さらに大口、今井論文がともに触れている現代における「村を育てる学力」の本格的探求が求められてもいる。
◉「教育の市場化・民営化」を検討した特集2では、それが「お金」の問題ですむものではないことを明らかにした。子どもや教師という当事者、さらには教育行政さえも、国家のお墨つきを得た教育産業によって管理・統制されようとする事態が迫っているということだ。
 今号の二つの特集はともに教育の公共性とは何かを問うものとなっている。

ご感想をお聞かせ下さい

この書籍へのご感想をお待ちしております。
※お寄せいただいたご感想の著作権は小社へ帰属し、当ホームページや小社出版物に転載させていただく場合がございます。
※ご感想への返信はいたしておりません。ご了承下さい。ご質問・お問い合わせはこちらからお願いします
※ご記入いただいた個人情報は、返信・連絡などの目的以外に使用したり、本人の同意なしに個人が特定できる形で公表することはございません。

関連情報

現在はありません