「京都から知的発信」を創業の精神に、全国の良書を送り続けてきました。「元気印の出版社」と評価されています。


ご注文は送料無料でお届けします

『教育』2019年08月号 No.883

『キョウイク』2019ネン08ガツゴウ No.883

編著者
JAN
491-012835-089-4 00667
判 型
A5判
ページ数
112頁
発行年月日
2019年07月 
価 格
定価(本体価格667円+税)
ジャンル



※定期でのお申し込みは『教育科学研究会』様からご注文下さい。

特集

特集1:
「学校の働き方」を変える
特集2:
教育のコトバ

とびらのことば

「学校の働き方改革」現場の願いを実らせる
本年1月に発表された中央教育審議会答申は、「教師たちがこれからも自分の時間を犠牲にして長時間勤務を続けていくことを望むのか、心身ともに健康にその専門性を十二分に発揮して質の高い授業や教育活動を担っていくことを望むのか、その選択が問われている」と謳いあげた。
かつて文部科学省は2006年の「教員勤務実態調査」にもとづき、「負担軽減」の旗を振ったが不発に終わり、10年後の今回調査ではいっそう深刻な実態が明らかになっている。教職員の病気休職者数は高止まりし、小学校教員志願者倍率は過去最低の3・2倍になった(文科省調査)。「学校の働き方改革」は待ったなしの課題であり、失敗は許されない。
にもかかわらず答申は①業務の削減、②定数増など教育条件整備、③超過勤務問題の法的整備など、骨格をなす課題で抜本的改革を見送った。さらに問題は「働き方」の「量的側面」にとどまらない。教育の自発性と創造性の保障、教員の専門性と裁量権の尊重という「質的側面」での改革もまた求められている。答申にはこれらの視点に立った改革が欠落し、逆に安易な「外注」化「マニュアル」化、「変形労働時間制」の導入、人事評価の「活用」など、教育活動の「ロボット」化が語られている。
10年前との決定的な違いは、「教育がこれでいいのか」という声が現場から市民的な共感にまで広がったことだ。これを原動力として、私たちは学校と教育を救うための処方箋を大いに議論し、真の「学校の働き方改革」を学校現場、生徒と教育のために実らせることができるはずだ。

編集後記

◉教師は長期休みには職場である学校に来ない。また、授業が終わればすぐに帰宅する。外部評価や基準にもとづく評価は行われず、校長や同僚との力量形成のための相談が重視される。教育の内容や方法は基本的に教師個人の自由に任される。
フィンランドの教師たちは、こうした条件のもとでのびのびと働いている。しかしこれらは1980年代ごろまでは日本でも当たり前のことだった。
それが、いまや「教師の仕事はブラック」な状況が常態化し、工藤祥子さんから夫を奪った過労死や、精神を病む教師を大量に生みだしている。
◉特集1では、なぜこのような事態に立ちいたったのか、これを変えるにはどうしたらよいかを検討した。基本的には、石井論文が指摘するように、新自由主義が持ち込んだ「評価文化」の蔓延とそれを通じた財政縮減で、多忙化と際限のない長時間労働が教師に押しつけられていることに由来する。
教師の疲弊がこれだけ問題になってまとめられた「働き方改革」も従来の新自由主義教育改革の枠組みにとらわれ、外部人材の活用や校長のリーダーシップによる学校マネジメントなど、いっそうの多忙化を招きかねない方策しか打ちだせていない。山﨑論文も、「人と予算」を増やさない「働き方改革」は、「学習指導要領体制強化」のための「働かせ改革」にほかならないという。
◉その「学習指導要領」の骨格をなしている「教育用語」を特集2で取り上げた。「アクティブ・ラーニング」「コンピテンシー」など、正確な理解が難しい空虚な言葉の羅列ではなく、現実をしっかり見つめる教育実践を創造したい。

ご感想をお聞かせ下さい

この書籍へのご感想をお待ちしております。
※お寄せいただいたご感想の著作権は小社へ帰属し、当ホームページや小社出版物に転載させていただく場合がございます。
※ご感想への返信はいたしておりません。ご了承下さい。ご質問・お問い合わせはこちらからお願いします
※ご記入いただいた個人情報は、返信・連絡などの目的以外に使用したり、本人の同意なしに個人が特定できる形で公表することはございません。

関連情報

現在はありません