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『教育』2019年09月号 No.884

『教育』2019年10月号 No.885

『キョウイク』2019ネン10ガツゴウ No.885

編著者
JAN
491-012835-109-9 00667
判 型
A5判
ページ数
112頁
発行年月日
2019年09月 
価 格
定価(本体価格667円+税)
ジャンル



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特集

特集1:
過敏な子ども・固まる子ども
特集2:
学童期の子どもたちと泣き笑い

とびらのことば

みんなとちがって生きること
「~しなさい」「~してはダメ」という指示や叱責と同時に、「そう、えらい。そうするんだよ」という褒め言葉で、ある型に誘導操作してしまうような子育てや教育に対して、「嫌だ」と心身で訴える子どもたちがいる。
周囲のことばや振る舞いに過敏に反応して、感情が高ぶり、怒りだしたり泣きだしたりしてしまう子ども。他方、いつも誰かと比べられている気がして、周囲からの期待に沿えない自分に劣等感を抱き、自分が感じたとおりに反応したり表現したりするとバカにされる、責められると警戒してしまって身体と心を固くしている子ども。そんな「過敏な子ども・固まる子ども」たちがお互いを避けたり恐れたりしないで交流し理解し合うためには、固まった身体や心をほぐし、安心して自分の気持ちを表現することを支えたり、攻撃的に見えるふるまいや荒々しいことばの裏にある意味を翻訳して伝え、共感するおとなのかかわりが必要だ。
発達障害がある、性別違和がある、同性愛者である、日本と異なる文化や習慣のなかで生きているなどの人々は、凝り固まった「ふつう」や「あたりまえ」が疑われない日本社会のなかでは生きづらい。同時に、その生きづらさをつくりだしている「ふつう」や「あたりまえ」は、この社会に生きる多くの人々をも縛り自分らしく生きることを妨げている。自分とは異なる感じ方やふるまいをする他者と向き合い理解しようとするとき、私たちは自己を問い直しつくり変えていく。多様性が認められる社会とは、すべての人が自己と他者の多様性を知り、尊重し合うことで成り立つ。

編集後記

◉特集1は、生きづらさを抱えた子どもや若者の実像に迫り、彼らが提起している問題について考えてみた。
◉彼らの多くは「普通の子ども」に比べて、傷つきやすく自分を責めがちな、いわば「過敏な子ども」として「普通の大人」たちには映る。しかし本当にそうか。「生きていることに意味はないです」とつぶやく美彩さんをはじめとする子ども・若者を支えている荒巻さんの「怖いのは、彼らには『死』がものすごく近くにある」という言葉をどう受けとめればよいのだろう。旧ソ連の教育学者・クルプスカヤはいまから100年前のロシア帝政末期に若者が数多く自殺する背景には、彼らをこの世界につなぎとめるものがないからだとしていた。日本の子ども・若者の自殺率の高さも似たような背景があるのだろう。そうだとすれば、問題は彼らにあるのではなく、彼らをつなぎとめることのできない社会そのものの問題として考える必要がある。
◉一方で彼らをこの世界につなぎとめようとしている大人たちもいる。養護教諭の天木さんは、手当てという「行為」そのものではなくて、「痛い・苦しい」ことに応答してくれる誰かを彼らは探しているのだという。高校教師の嵯峨山さんは、自殺未遂経験のあるK君の入学からの成長過程には、正解のない「課題をめぐる旅」が、互いに遠ざけ合っていたクラスメイトをこの世につなぎとめる誰かとして認識させたのだろうという。ケアと学びを考える切り口はここにあるのだと思う。

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