2014年10月24日

 会社の公式ブログですから、自分の講演会を紹介するだけではダメですよね。会社に関係する講演会も紹介しておかねば。

 ということで、11月28日(金)、「現代に蘇るマルクス」と称して、石川康宏さん講演会と囲む集いを開催します(画像)。京都社会福祉会館で、午後6時30分から。参加費500円となっています。電話かFAXで申し込むことになっていますが、チラシを見るとメールアドレスが書いているので、メールでもいいのでしょう。

石川さん講演会

 石川さんといえば、先日ご紹介したばかりですが、『若者よ、マルクスを読もう』の著者のひとりです。いま、書店に行けば、どっさりと積まれています。

 何年か前、『蟹工船』がブームになった時、出版社としては「次は何が求められるか」って模索したんですよね。うちは、そういう労働現場を生みだす原因は何か、どうしたら打開できるのかという理論的な探究が始まるだろうと予想しました。

 だから、マルクスとか『資本論』とか、そういう方向に行くだろうと思ったわけです(願望もありましたが)。だけど一方で、難しいものは受け入れにくいだろうという思いもありました。

 そこで出したのが、『理論劇画マルクス資本論』(原作・門井文雄、構成・解説・紙屋高雪)でした。すごい反響でした。とりわけ、劇画版なのに理論的にもいちばんしっかりしているのではという経済学者からの評価もあって、うれしかったです。

 その翌年出されたのが、『若者よ、マルクスを読もう』でした。これ、たくさん売れて、いま在庫切れですが、角川ソフィア文庫になっているので、そちらをご購入ください。今回の本は、その第二巻ということになります。第三巻(エンゲルス編)、そして最終巻となる第四巻(『資本論』などを論じる)へと続きますので、楽しみにしてください。

 いま、当時の『蟹工船』ブームの時ほどには、マルクスは話題になっていないかもしれません。でも、そう思っていたら、12月6日には、世界で話題の『21世紀の資本論』が出版されるんですね。それが書店で山と積まれて、その横には『若者よ、マルクスを読もう』だとか、『超訳マルクス──ブラック企業と闘った大先輩の言葉』(紙屋高雪)が置かれることになると思うんですが、単なる願望に終わらないようがんばります。

 石川さんの講演会では、まさにブラック企業だとかブラックバイトだとか、マルクスが現代に蘇らざるをえない状況になっている原因、それを打開する道について語ってもらいます。それを私が突っ込みを入れるという感じの運営かな。お待ちしています。

2014年10月23日

 本当に突然のことですが、予定していたゲストの方のご都合がつかなくなったということで、次の日曜日(26日)、急遽お話しすることになりました。神戸芝居カーニバル実行委員会が主催で、「中嶋淳のアジト談義」と題する企画の7回目です。

 三宮の中心地で午後2時からです。突然のことですし、予定のゲストが来れなくてがっかりして、参加を取りやめる人もいるでしょうから、私が宣伝しておかなくちゃね。

 自衛隊を活かす会のことでも話すのかなと思ったら、主催者は、朝日新聞と慰安婦問題も取り上げてくれということでした。チラシを見れば分かりますが、主催者は「朝日新聞社「問題」こそ、新聞ジャーナリズムの真の復権 のチャンスかも知れない」と考えておられるようです。

 なるほど。考えてみたら、自衛隊問題も慰安婦問題も、世論で意見の対立する問題であって、そういうことにジャーナリズムはどう向き合うかということが問われるんですよね。とりわけ左翼ジャーナリズムは、極端な立場に立ってしまうと、自衛隊問題でいうと「即時解散」で、慰安婦問題でいうと「日本側の主張には一片の道理もない」ということになるでしょうか。朝日は、自衛隊問題ではそこまで行かなかったけれど、慰安婦問題ではその路線を進んだわけです。

 私は、どちらの問題も、そういう対立構図をつくってしまっては解決しないと思っています。その点では共通することもあるので、まとめてしゃべろうと思います。関心のある方はご参加ください。

 土曜日も講演するんですけど、こっちは、ある地域にある共産党後援会が一斉地方選挙に向けて開催するものです。候補者が勢揃いしてご挨拶もするそうです。そこで、柄にもなく、集団的自衛権とからめて一斉地方選挙で勝利する意義などを語ろうと思います。こちらは、その地域に住んでいて、共産党を応援する人限定なので、場所等はお知らせしません。

 なお、来月15日(土)、京都ジャーナリスト9条の会が主催して、シンポジウム「朝日新聞問題と従軍慰安婦報道を考える」が行われます。そこで、朝日新聞大阪本社の企画報道室長だった落合健二さんと、またまた私がお話しすることになりました。まだ慰安婦問題の本も出していないから、私がこの問題に関心があるなんて知られていないと思ったんですけど、そうでもないみたいですね。詳しくは近づいたらお知らせします。

第7回中島淳のアジト談義・松竹伸幸

2014年10月22日

 昨夕は、『若者よ、マルクスを読もう』の著者のひとりである石川康宏先生と、ちょっと難しいお話だった。そちらは少し時間をかけて成果にしていきたい分野である。

 昔とは違って、日本革命という問題に関心を持ち、ものを書く経済学者って、どんどん減っている。だから、いろいろ大変でしょうけど、よろしくおつきあいください。

 さて、その話の最中に話題になったのが、石川さんが先週末に千葉で記念講演をした際の、ご本人のブログ記事である。講演の後の懇親会で、いつものように活発な議論があったらしいのだが、そこで、「「保守との共同」が大きな課題になっているときに、「安易に自共対決」などと言わない。」と主張された方がいたらしく、記事になっている。

 この発言をされた方は、千葉の労働運動で活躍されている方だそうだ。そういう立場にありながら(あるからこそ)、同時に、いろいろな課題で、保守勢力との共同に力を尽くしておられる。自民党の方からも、「おたくらと一緒にやりたい」と申し出があり、一点共闘、保守との共同の大切さを肌で感じるそうである。

 ところが、その自民党の方々から、「自共対決」と言われると一緒にやれないでしょ、と言われるというのだ。そうですよね。

 安倍首相が飛び跳ねているもので、いまの自民党のなかには、それに付いていこうとする人びととも多いが、同時に、自民党の伝統を守ろうとする人びとが生まれている。自民党の伝統を守って、集団的自衛権に反対して専守防衛に徹するとか、TPPに反対して日本農業を守ろうだとか、そういう人びとである。

 まあ、我こそは自民党だと思っている人びとだ。そういう人びとに対し、「オマエは敵だ」と受け取られるような言い方はしてはならない、ということらしい。

 現場でがんばっている方の感覚はするどいと思う。奥が深い。左翼出版業界もよく考えなければならない問題である。
 

2014年10月21日

 家族会や議連の評判は良くないが、私は支持する。それで事態が前向きに進むと楽観するわけではないが、その方向しかないと思う。

 これまでも書いたように、拉致問題をどう解決するかをめぐって、北朝鮮の指導部はふたつに割れている。日本に対して納得できる調査結果を報告しない限り事態は進まないというグループと、そういう必要はないというグループと。もともと北朝鮮がつくった調査委員会はそのふたつのグループの集合体のようなものだ。

 まあ、割れているといっても、後者の方が圧倒的に優勢である。だって権力の中枢にいる人びとだからね。そして、「解決済み」という基本線の報告書を出そうとした。それに対して、「それでは日本側は納得しないし、制裁も解除されない。経済援助につながる国交正常化にも至らない」として、前者の側がギリギリの抵抗をしているというのが、この問題の現状だと感じる。

 とはいえ、それはまさに「抵抗」程度のものであって、前者のグループは、後者のグループを説得するだけの力を持たない。だから、日本政府に来てもらって、後者のグループに会わせて、日本側の見解を直接伝えてくれというのが、招待に至った経緯なのだろう。

 もちろん、日本側が見解を伝えたからといって、後者のグループが考えをすぐ変えるというほど、甘くはない。当然のことだ。

 しかし、納得できる調査結果が示されない限り、制裁の解除もましてや国交正常化もないという確固とした姿勢を、北朝鮮の権力中枢に示すことはできる。後者のグループが考えを変えない限り、北朝鮮は何の利益も得られないことを伝えることはできる。

 北朝鮮では、権力中枢に歯向かう人びとは、多くが粛正されてきた。歯向かうまではしないが不満を持つ人は、大量に脱北を試みてきた。そういうことがあるから、体制を変える力というのは、国内的にはほとんど期待できないのが現状であろう。

 だから、北朝鮮に対する制裁を強化して苦境に追いやっても、それが政府への打撃となっていかない。どんなに可能性が低くても、北朝鮮政府に対して、直接、納得できる調査結果が必要だということを伝え、分からせる必要があるのだ。

 それは民間ベースでも必要かもしれない。先日韓国に行った時、日本からそういう趣旨で北朝鮮を訪問する場合があることを想定し、その際には通訳をしてくれる人を確保してきた。そんな仕事をした場合、韓国に再入国することは難しくなるけれども、そうなったら十数年に及び韓国住まいを終えて、日本に戻ってくるそうだ。そういう機会が訪れることを望む。

2014年10月20日

 『通販生活』って、ご存じですよね。カタログ誌っていうんでしょうか。私もこれで書棚を買ったことがあります。同系のもののなかでも、ちょっと高級という感じかな。

 今日はとても忙しく、気づいたら、この時間になっていました。あまり書く話題も見つからず、ふと思いついたのが、この記事です。

 ふと、というには、ちょっと大きな問題なんですよ。まず、画像をご覧ください。

14秋冬号表紙-2

 そうなんです。『通販生活』の秋・冬号が発売されましたが(いまは定期読者に発送されている最中で、書店に並ぶのは来月はじめです)、その表紙を飾るのが、なんと内田樹さんが弊社から出した、『憲法の「空語」を充たすために』なんですよ。すごいでしょ。

 この表紙にあるように、「目からウロコ」の本です。是非、手に取ってみてください。120万部万の読者がいるといいますから、その1%が買ってくれたら、この本も○○○○○部うれますね。すごい。まだまだ忙しいので、本日はこれで失礼します。