2014年12月10日

 昨日の記事、ただ報道を紹介しただけなのに、この「編集長の冒険」の過去記事のなかで、最大のアクセスでした。記事の最後にフェイスブックの「いいね」の数が表示されますが、500を超えています。

 それだけ驚きをもって迎えられたということなんでしょうか。元自衛官が共産党を代表して活動していること、共産党の側が自衛隊員の命を守るというスローガンを掲げていることが、それだけ国民の側から期待されているということなんでしょうね。

 私としては、これらを通じて、共産党の方々がナマの自衛官と接する機会が出来てきて、リアルな自衛隊像を持つようになることを期待します。それがリアルな安全保障政策につながっていくと思いますので。

 と思っていたら、本日の「赤旗」にも出ていました。連日、自衛官の共産党に対する期待です。自衛隊と共産党の共存が現実のものになってきましたね。

 まず1面。トップ記事が秘密保護法の施行にあたって、3人の識者の声なんですが、1人目は憲法研究者の奥平康弘さん、2人目が宮城県白石氏の元市長の川井貞一さん、そして最後が元陸上自衛隊第一空挺団で3等陸曹の湯本知文さんでした。

 湯本さん、安倍さんは「欧米諸国と肩を並べて戦争できるくらいの軍事国家をめざしている」と断じます。そして、「今度の総選挙では、安倍首相に対抗する勢力を国会で十分に増やす必要」があるとして、離合集散をくり返す政党を批判し、「安倍首相に対抗できるのは共産党しかない」と述べています。

 さらに14面のトップ。「「戦争する国」許さない」という連続インタビューに、元陸上自衛隊1尉の加藤好美さんが登場しています。加藤さんは、自衛隊の裏金作りを内部告発された方で、次のように語っています。

 「戦争する国にしていいのか、そのことを今回の選挙で訴えたい。
 このままでは自衛隊員の若者たちが他国の戦争に行かされ、いつか命を落とすことになります。私には耐えられない」

 「自衛隊員たちは、他国で戦争するなんて思ってきませんでした。専守防衛の組織だと信じてきたのです。それが急に、安倍政権によって変更されました」

 「さらに秘密保護法で、政府が戦争すると言ったときに、その根拠となる情報が隠される恐れもあります。……実際、日本政府はイラク戦争で、武装した米兵を空自が輸送したことを隠しました。報道などでのちに暴露されましたが、今後はそうした告発も罪に問われかねません」

 「新聞を見ると、自公が議席を増やすという予測もあります。共産党以外の野党は平和や暮らしを守るべきときに何度もブレてきたために、国民の信頼を得られていません」
 「私たちにできることは、共産党の議席を増やすことです」

 はい。つけ加えることは、何もありません。

 投票日から9日後の12月23日(火・祝)、「自衛隊を活かす会」の第4回シンポジウムが日比谷公園内の日比谷図書文化館で開かれます。安倍路線と対決する憲法9条下の「提言」づくりが着々と進んでいます。是非、ご参加ください。

2014年12月9日

 記事のタイトルだけを見ると、何を書こうとしているのかと、少し警戒されるかもしれない。だけど、たいしたことではないので、まずご安心を。

 いや、本日の「赤旗」を見て、ちょっぴり感動したのだ。総選挙に茨城6区(つくば市とか土浦市)から井上圭一さんという方が立候補していて、本日の「赤旗」に演説が載っているのだが、この方、元自衛官だというのである。陸上自衛隊の霞ヶ浦駐屯地におられて、「有事には戦地に赴く後方支援部隊の〝下士官〟」で、3曹だったとか。泥さんと同じですね。
 
「日本の平和を守るための専守防衛、時には東日本大震災のような未曾有の災害に身をていしての救援活動──。どれも国民のための重要な任務であり、誇りでした」

 井上さんはこう述べる。しかし、集団的自衛権の閣議決定で、それが転換したことを嘆いている。「就業規則違反」のようなものだと断じている。

 「自衛隊員のご家族、ご両親の落胆と安倍政権への怒り、憤りを思うと、胸を締めつけられる思いでした」

 自衛隊員や家族と心が通い合うような訴えだと思えた。こうじゃないと支持は広がらないよね。

 そういえば、京都府の舞鶴市で、11月16日投票で市議選挙があって、共産党は4人全員が当選した。3人から4人への前進である。

 その選挙を前にして、共産党の舞鶴地区委員会が看板を出したという記事が、「京都民報」に載っていた。それも感動した。看板に書かれていたのは、

「自衛隊員の生命を全力で守ります」

というスローガンであった。画像は、地区委員会のブログから。

DSC_0195

 そうですよね。国民のなかで活動していたら、こうなってきますよね。それが今回の選挙での「躍進」が予想される共産党の強みだと思います。

(追伸)
 自衛官出身の共産党の国会議員が出てきて、国会の安全保障委員会で防衛大臣と論戦する時代が来れば、日本の安全保障をめぐる議論のありようがだいぶ変わってくるでしょうね。
 

2014年12月8日

 本日の「毎日」の総選挙予測報道は、またまた衝撃的でしたね。自民党だけで3分の2だっていうんですから。暗澹とした気持ちになるというのは、こういうことでしょう。総選挙で勝つことになる政党も、国民全体が暗い気分に落ち込んでしまうことを念頭においてものを言わないと、かなり意識がずれることになりそうです。

 ところで、きょうは忙しいので、本の紹介だけです。来年一月に出す予定の本です。

生業訴訟チラシ

 来年一年間、福島でやられている「生業訴訟」にずっとかかわりそうです。いつか記事にも書いたし、このチラシにもありますが、公判の度ごとに講演会をする予定で、講演者の選定とか連絡を私がまかされているのです。

 チラシでは、浜矩子さん(原発再稼働で日本経済はよくならない)、白井聡さん(戦後思想史における福島原発事故の位置)、藻谷浩介さん(福島から広がる里山資本主義)が講演者ですが、新たにお一人が決まりました。内田樹さん(3.11が日本になげかけたもの)です。さらにあと一人、誰もが「あっ」という人をオルグ中。

 公判では毎回、数百人の原告が集まるのですが、傍聴できるのは数十名ですので、残りの方に別会場で聞いてもらうという趣向です。おそらく、すべてをまとめて、『福島から日本を撃つ』というようなタイトルの本になるかと思います。最後の講演は来年秋なので、出版は3.11の五年を迎える直前でしょうか。

 この裁判、いま全国から支援者を集める段階に入ろうとしています。だから、こういう講演会もやっていくわけですが、その第一弾の本が、今回の本です。私まで執筆者に入っていて恥ずかしいです。

 支援者を広げていくための本なので、数冊を買ってお友だちにも広げていく、みたいな活用方法をしていただけると幸いです。よろしくお願いします。

2014年12月5日

 昨日、ブログ記事を書いた後、沖縄に電話をいくつかかけた。総選挙後、できるだけ早い内に沖縄に行って、本をつくるための下相談。

 その本、上のようなタイトルにしたいのだが、どうだろうか。自分なりに納得できるタイトルなんだけど。

 野党が共闘して安倍政治を変えるなんて、おそらく誰も現実味をもって考えていない。政策はバラバラだし、どの党にもそういう気持ちはないし。選挙の結果、ますますそういう絶望的な雰囲気が広がってしまうのではないだろうか。

 そういうことが予想されるなかで、展望を打ちだす必要がある。安倍路線に対決できる力を持つほどに成長するとすれば、やはり沖縄に学んだ保革共闘しかないのではないか。

 沖縄は特殊だという考え方がある。全国的には同じような条件はないのだと。

 私も、沖縄の特殊性を否定するつもりはない。だけど、つい数カ月前まで、国政選挙での保革共闘どころか、県知事選挙にあらわれた保革共闘だって、それが実現するなんて、誰が想像していただろう。誰もが条件はないと思っていたのではないか。

 普天間基地の国外・県外への移転で保革が一致していて、それは沖縄固有の条件ではある。しかし沖縄は、その一致を、一年くらいの時間をかけて、政治を変える共闘に発展させてきた。主体的な努力をやって変えてきた。

 全国的に見て、たとえばTPP反対で保革が一致しているわけだろう。集団的自衛権反対でも野中広務さん、加藤紘一さん、古賀誠さんで一致しているわけだろう。それは、主体的な努力をどんなに進めても、政治を変える共闘には発展しないのだろうか。

 そうならないというなら、本土での保守との共闘は、沖縄より低い水準になるということになってしまう。安倍さんが進める強権政治に反対する気持ちは、沖縄と本土では水準が違うということになってしまう。

 沖縄と本土に違いがあるとすると、やはり主体的な努力をする意思をもった人びとがいたか、いないか。多かったか少なかったか、ということだと思う。本気で普天間基地問題を解決しようとしたとき、従来型の革新共闘ではなくて、保革共闘しかない、それなら保守と手を結ぼうという、そういうことを考え、実践する人が沖縄にはいたわけだ。

 それに、沖縄の結果をみて、保守のなかに、ただ声をあげるというだけでなく、政治のおもてにでてきて共闘するという流れも生まれるだろう。ということで、来年1月は沖縄へ。本はいつできあがるかなあ。

2014年12月4日

 いっせいに選挙結果の予測報道が出ましたね。みなさん、どう捉えたでしょうか。

 安倍さんではイヤだという声がこれだけ充満しているのに、その安倍さんが大勝する。一強体制をさらに強固なものにして、選挙が終わったら、やりたい放題なんでしょうね。ここまで来たら、集団的自衛権の安保法制だけじゃなくて、憲法本体にまで手をつけてくるでしょう。

 いやはや、安倍政権をこうやって終わらせるんだって、どの野党も選挙で説得力ある道筋を語れなかったからなあ。そこが見えてこないと、安倍与党を落選させるような投票行動は、本格的には生まれてこないでしょう。この予測議席が出たあとでは、安倍政権退陣の道筋を語るって、ますます簡単ではなくなりそうです。

 救いは、安倍政権とは真正面から対決している共産党が躍進しそうなことと、選挙を前にして安倍政権との対決姿勢を打ちだした民主党も少しは前進しそうなことでしょうか。それとは逆に、「是々非々」みたいな立場をとってきた維新や次世代は後退しそうなこと。

 まあ、現時点では、そこまでなのかもしれません。安倍さんを倒す展望は見えていないけど、その展望を手にするためにも、とりあえず安倍さんと対決する政党を育てておいてやるかという感じでしょうか。

 そのことが、安倍さんを退陣させたあとにつくるべき政権について、ひとつのイメージを国民のなかでつくりあげてくれればいいなと思います。安倍さんのあとの政権は、安倍さんの亜流政権ではなく、安倍さんとは異なった路線を歩む政権だというイメージです。

 おそらく、沖縄で実際にやっている選挙共闘型の政権でしょうね。沖縄の場合は米軍基地問題が大きいですが、集団的自衛権とか憲法改定問題とかTPPとか、安倍さんが壊そうとしている旧来型の保守とも共同していく路線。そのためには安保条約の問題での意見の違いは棚上げする路線。

 沖縄県知事選挙は、本格的に研究する必要がありますよね。翁長さんが出ること、多くの人は選挙直前に知ったみたいですが、現地の関係者のあいだでは、一年以上も前から既定路線だったんですね。だけど、それまでは安保廃棄の革新共闘だったけど、そうでない共闘路線を本土の政党幹部が認めないかもしれないという懸念があって、いろいろ調整機関が長かったわけです。

 以前は沖縄で国政選挙で共闘が実現することは、安保廃棄で一致するという「例外」的な状況の産物と言われました。だけど、安保廃棄で一致しなくても共闘が成立したわけですから、もう例外ではなくなると思われます。

 選挙後に圧倒的な多数になった安倍さんを倒す展望を手にするためには、まず沖縄の調査をして、本にすることも必要かもしれません。選挙後、忙しくなりそう