2016年2月3日

 1月31日の夜にNHKスペシャルでやっていました。札幌から帰ってきた夜で、疲れていたし、テレビそのものをあまり観ないのだけれど、まあまあ興味深く、最後まで観ました。

 科学的には面白いんですよ。ママたちがなぜ子育て中に孤独で不安になるのか、ちゃんと解き明かしていました。出産すると、妊娠中に分泌されていた何とかというホルモンが急減するそうですね。そのホルモンがあると、安らかな気持ちになるそうで、それが急減するわけですから、不安になるのは当然でしょう。

 それで、アフリカの何とか族の子育てをとりあげ、子どもの育児を一人で抱え込むのでなく、みんなで面倒をみる仕組みがあることを紹介するんです。もともと人類は、そうやって子育てしてきたから、チンパンジーなどと違って多くの子どもを産み、育てることができて繁栄できたということでした。

 それはそうなんでしょう。だけど違和感がぬぐいきれませんでした。何かというと、「男」がどこにも出てこないことなんです。

 アフリカの何とか族を取り上げた場面でも、映像に出てくるのは女ばかり。これだと男は太古から子育てとは関係なかったみたいです(事実はあまり知らないけれど)。

 それに、現代のママのホルモンの分析は出てくるけれど、パパのホルモンはどうなんでしょう。子どもが生まれても何も変わらないんでしょうか。

 個人的な体験で申し訳ありませんが、私は、二人の子どもを育てている間、ホルモンがどうだったのかは不明ですが、胸がキュンとなる場面って、何度もありました。とりわけ病気になったときです。

 だから、子どもを病院に連れて行くのは、いつも私でした。まあ、昼間に仕事ができなくても、夜中に挽回できるという性質の仕事だったので、そういう選択が気楽にできたこともあります。だけど、それ以上に、「自分が病院に連れて行くんだ」という気持ちになったことが大きかったと思います。

 科学的に説明できないのかも知れません。だけど、日本の子育てを論じるうえでは、ママ友をどう増やしてみんなで子育てするかも大事でしょうけど、夫をどうするかを抜きにして議論してもダメだと思うんです。

 科学というなら、子どもが生まれて、男はどう変わるのか。何も変化がないのか。そのあたりまで解明しきらないと、前向きなものは生まれないような気がしました。

 私が異常だというなら、それでもいいんです。科学的に解明されるならね。次にはそんなNスペになることを期待します。

2016年2月2日

 5年目の3.11が近づいてきました。いつものように、その日は、福島で過ごします。今年は、すでに紹介したように、いわき市で「あの日から5年、3.11の夕べ」を催します。

 いま、3.11に間に合うよう、本づくりにも全力をあげていますが、せっかく5年目でもあるので、書店向けに大型のチラシをつくって、新しい本だけでなく、この5年間つくってきた本も全部紹介し、注文してもらうようにしました。そのチラシの4面がこれです。

福島本一覧

 いやあ、福島だけですよ。東日本大震災全般を扱ったものまで載せると入りきらないので、原発・放射能関連だけなんですが、こんなにつくったんですね。在庫切れのものは載せていないので、もっとあるんです。

 3年前の3.11は、福島市で子育て中の家族向けの「夕べ」を開催し、弊社の本はもちろんですが、出演してくれたZABADAKと菊地誠さんの本も売りました。地元の岩瀬書店から3名もの方が本を売りに来てくれて、たくさん売れたって喜んでくれたんです。

 今年も、「夕べ」で地元の方に喜んでもらうのは当然として、地元の書店にも利益が落ちるようにしたいです。ということで、早速、営業に頼みました。

 そういえば、生業訴訟の昨年9月の講演会で、「あまちゃん」の音楽の大友良英さんが、「訛りの逆転現象」という話をしておられました。普通の日本人の感覚だと、田舎で育って東京に出ると訛りがなくなるのに、東京の人が田舎に行っても東京弁をしゃべっている。でも、「あまちゃん」のアキちゃんは、地元は世田谷なのに、すぐに岩手の方言をしゃべりだし、東京に戻っても方言のままだし、「地元に帰ろう」と歌っているけれど、その地元も岩手のことでした。訛りの逆転現象で地元に誇りを持てるようにしたということです。このお話も、新しい本に入っています。

 かもがわ出版も、福島の人が、地元の出版社だと間違えるようになるくらい、がんばれればいいなと思います。「かもがわなんて福島にないよ! 名前をあぶくまがわ出版に変えなさい!」と言われるくらいに。

2016年2月1日

 「自衛隊を活かす会」の札幌企画が終わり、戻ってきました。200人の会場が満員で、準備していただいた方々には感謝です。

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 今回、10回目のシンポジウムでした。最後に会場の方にもいったんですが、いつも消化不良のまま終わっているような気がします。

 いえ、悪い意味じゃないんです。大きな仕事に挑戦している時には、こういうことってあるんじゃないかと思うんです。

 だって、日本国憲法の精神で防衛戦略を練り上げるという仕事をしているわけです。これって、これまで誰もしてきませんでした。

 本当なら日本政府がやるべきことですけれど、政府は戦略はアメリカに任せてきました。「憲法の制約があるから、そこまではできない」程度のことは言ったでしょうが、戦略自身はアメリカに任せっきりです。

 一方、護憲派は、防衛戦略を持つことを避けてきました。避けてきたというより、防衛戦略を持たないことを誇りにしてきたと言った方がいいでしょう。

 こうして日本では、憲法にふさわしい防衛戦略は、これまで誰もつくらなかったし、考えもしてきませんでした。両方に責任があるんです。

 「自衛隊を活かす会」はそこに挑んでいます。防衛の現場を知る人に依拠し、同時に憲法も大切だと考える人が中心になり、議論をし、提案をしようとしています。これができないと、自衛隊員も不幸ですし、日本の未来も見えてきません。

 日本で初めての試みですから、「これが足りないだろう」とか、「これはどう考えているのか」とか、そんな声が出てくるのは当然なんですね。私自身も、シンポが終わる度に、「良かったな」という思いと、「まだまだやるべきことがある」という思いと、両方が交錯します。

 ということで、2月も、4月も、5月も計画が進行中です。引き続きよろしくお願いします。

 下の写真は札幌雪祭り(5日から)の準備の現場です。自衛隊の方々が「進撃の巨人」をつくっているんですね。ご苦労様です。

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