公明新聞が『新・自衛隊論』の書評

2015年9月7日

 新安保法制反対闘争のなかで、創価学会に変化が見られることは、いろいろ報道されていますよね。学会員が反対署名を集めているとか、創価大学にも4桁の規模で反対する会ができているとか。

 それでも公明党は別かと思われていました。「自衛隊を活かす会」は、創立以来1年余の間に8回のシンポジウムを開催しましたが、これまで一人の議員も参加しなかったのが公明党なんです。共産党だって、まだ「自衛隊を活かす会」という名称を「赤旗」では一度も報道したことはありませんが、最近のシンポでは穀田さんが挨拶に来られました(報道はせず)。そういうこともあるから、公明党を見て、一枚岩とはこういうことを言うんだなあと、ずっと思ってきました。

 ところが、8月31日付の公明新聞に、その「自衛隊を活かす会」編の『新・自衛隊論』の書評が掲載されたのです。「自衛隊を活かす会」は、自衛隊を否定する立場には立ちませんが、公明党が容認する集団的自衛権には反対する立場です。自公が進める新安保法制ではない選択肢を提示するということで、「提言」も公表しています。公明党にとっては「危険」な団体であり、本なんですね。公明党もまた、一枚岩ではいられないほど、内部にいろいろなものを抱えるようになっているのでしょうか。

20150907094020815

 書評を書いてくれたのは、尊敬する佐道明広先生。うれしいなあ。防衛問題で佐道先生ほど学問的な信頼性のある人はいないでしょう。書評の最後の部分が大事だと思いますので、引用しておきます。

 「ロシアや中国が現在の国際秩序を力で変更しようとする傾向が見えること、テロの脅威が世界に拡大していることなど、安全保障に関する国際環境は大きく変化しており、日本の役割は世界から関心を持たれている。自衛隊の存在抜きで安全保障問題を考えるのは無理であるし、一方で、戦後平和主義で培ってきた「平和国家」のブランドは守るべきである。本書の論考が今後の安全保障論議の基礎になることで、理想と現実の両者を見据えた実りある議論が行われることを期待したい」

記事のコメントは現在受け付けておりません。
ご意見・ご感想はこちらからお願いします

コメント