安倍政権は外交でつまずく

2015年10月23日

 昨日から風邪気味で、ボーッとしているので、ブログを書く気力がありませんでした。少し持ち直したようなので、短く。

 安倍さんって、外交で失敗するかもしれませんね。この間、不手際だらけ。

 北方領土問題では、この間、プーチン大統領の年内訪日を掲げていたので、何らかの進展が見込めるのかと思っていたら、ぜんぜん違いましたよね。岸田外相が訪ロしてロシアの外相と会談したのに、領土問題は議題にもなっていないと言われる始末。挙げ句の果てに、プーチンさんは年内は来ないというのだから、何の展望もないのでしょう。

 北朝鮮による拉致問題。約束した期限までに北朝鮮が調査報告を出していないというのが、日本政府の公式的な言明になっています。しかし、北朝鮮側の担当者である宋日昊(ソン・イルホ)大使によると、調査に「いましばらく時間がかかる」としているのは、「調査自体ではなく、日本側と情報を共有し、結果の発表時期などを調整するために時間がかかるとの趣旨だと説明」したとされます(日経新聞9月10日)。ということは、調査報告自体はできていて、それを日本に示しているが、日本側がそれを「共有」してくれない状態だということです。拉致問題を解決すると意気込んだ安倍首相ですが、残念ながら解決にほど遠いものしが提示されていない(だから、まだ提示されていないことにしている)ことがうかがえます。

 そして、最近の世界記憶遺産問題。南京虐殺を登録するという中国に反発するあまり、日本側も「さあシベリア抑留だ」とかがんばりはじめました。ところが、シベリア抑留って、日本では不法に抑留されていることになっていますが(それは事実ですが)、ロシアとの外交問題があって、日ロの外交文書では「抑留」の用語は使われず、合法性を示す「捕虜」だとされているそうです(毎日新聞本日夕刊)。そのため、ロシア側から、「(合意を)乱暴に歪曲している」と日本が批判されているとか。

 どの問題も共通の要素があると思います。外交って、相手のあることなのに、日本国民が熱狂するような立場を日本政府自身がとり、その立場をそのまま外交に持ち込んでいることです。これって、問題を解決することよりも(そのために難しい外交交渉に挑むよりも)、勇ましい言葉を紡ぎ出すことに力を入れているということでしょう。外交による問題解決よりも選挙での勝利と言ったらいいでしょうか。

 でも、こんな稚拙な外交では、国民の利益が侵害されるっていうことが、次第に分かってくるのではないでしょうか。その日が近いことを願うばかりです。

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