『マルクスならいまの世界をどう論じるか』

2015年12月8日

 以前、予告していましたが、やっとメドがたちました。聽濤弘さんの新著です。270ページにもなる大著になりました。来年1月半ばに書店に並びます。サブタイトルは「アメリカ、中国、IS、ロシア、EU」。

マルクスチラシ

 昔は、こういう「世界論」って書く人が多かったですけど、最近、あまり見かけませんよね。とりわけマルクス主義の立場で書く人はいなくなりました。でも、これだけの激動期ですから、関心が持たれるのではないかと期待しています。

 この本の作成過程で知ったのですが、再来年のロシア革命100周年を記念して、モスクワで社会主義フォーラムが開催されるそうです。ロシア共産党は共産主義とは関係のないロシア大国主義党になってしまいましたが、社会主義・共産主義を大事に思う潮流はいるそうで、日本からも研究者を中心にかなりの人が参加予定とか。

 社会主義論というものを、狭い内輪の話にせず、どうやったら一般の論壇でも議論されるようにするのか。これは、来年、再来年の大きな課題ですね。

 とにかく、この本の目次を紹介しておきます。

序章 「二一世紀の新しい神聖同盟」の結成──安倍政権の狙い
第一章 中国をどうみるか──「社会主義」か「資本主義」か(*マルクスと非マルクス
第二章 米日中関係をどうみるか──その基本的視角について(*カントとマルクスの平和規範)
第三章 なぜテロが多発する中東・アフリカなのか(*エンゲルスのイスラム教・アラブ世界観とマルクス)
第四章 ロシアとウクライナ問題の本質(*マルクス主義者・レーニンの見解から)
第五章 揺れるEU──その本質と現状をどうみるか(*マルクスと「世界市場」)
第六章 ASEANとラテンアメリカ共同体(*そのどこが違うか)
おわりに マルクスを越えて──市民と市民運動の問題
補論1 なぜ「米ソ冷戦終結」は可能だったのか(*「ぺレストロイカ」はなぜ失敗したか)
補論2 「日ロ領土問題」解決の道はどこにあるのか(*日ソ両共産党会談の歴史もふりかえりながら)

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