総選挙で自民党の最大の攻め手は北朝鮮問題か

2017年9月21日

 安倍首相の国連演説を聞いて、笑ってしまいました。94年からの米朝枠組み合意の時も、21世紀に入ってからの6者協議の時も、北朝鮮は対話に応じるふりをして、実はウラで核・ミサイル開発に狂奔していたっていう演説、私がこのブログで書いたとおりです。

 「やはりこれで来たか」と思いました。自民党は総選挙でここを最大の争点にしていくと思われます。安倍さんにとっては、野党が新安保法制の廃止で結束してきたのを、北朝鮮問題を前に押し出すことで、新安保法制の必要性を説き、野党を批判し、分断してくるでしょう。九条加憲問題を押し出す上でも、北朝鮮で攻めていくことは不可欠でしょうし。

 安倍さんは、「だから対話じゃなくて圧力だ」ということになるわけです。これって、わかりやすいと思いますよね。私も一言で反論できません。

 ある方から、北朝鮮問題で本を書きたいと言って、草稿が送られてきました。だけど、米朝もダメで6者もダメだった理由は何か、そこを克服できる対話ってどういうものかが明確にならないものは出せないといって、お断りしました。アメリカも北朝鮮も中国も日本も韓国もそれでOKと心から言えるような和解案もないとダメです。希望的観測でなく現実的根拠をもって提示できないと。

 私の見聞が狭いからかもしれませんが、説得力ある和解案って、まだお目にかかったことがありません。ただ対話しろと言っているだけのように見えます。どなたか、そんな本を書いてくれたら、すぐに出しますけどね。

 そんなことを考えていたら、私宛に講演依頼がありました。タイトルは、「北朝鮮は危ないのか──地に足の着いた安保・外交政策を考える」ですって。意図は次のように説明されています。

 「北朝鮮の弾道ミサイル発射に対し、安倍政権が軍事的態勢を強める動きが強まっている。非軍事的な方法での外交努力が望ましいが、「現実的」なのか。国連、中国・韓国・米国など対北朝鮮への対応をどう考えるのか。市井の民は何を基盤に北朝鮮問題や東アジア外交を考えるべきか。ミサイル問題を報じるマスコミ報道をどう読み解くべきか。地に足の着いた安全保障論のための論点整理・情勢理解について学ぶ機会とする。」

 講演料も半端じゃないし、本格的に準備しなくちゃ。本も書いちゃおうかな。

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