ソ連と中国を同列に置く──不破氏の新?見解

2017年11月17日

 本日の朝日新聞に共産党の不破哲三氏のインタビューが載っている。ロシア革命100年の特集だ。

 内容的に新しいものはないが、中国の位置づけに変化があるのかなあと、ちょっと注目した。2点ある。

 1つは、スターリンがヒトラーと組んで世界を再分割する夢に酔っていたこと、戦争の時期にも大国主義の野望を捨てず、東欧を支配したことなどを指摘した箇所で、それに続いて中国を論じていることだ。「今の中国にもその危険がある」としている。

 これまでも日本共産党は、中国に大国主義があらわれる危険があるとしていたから、文面だけを見ると変わらない。しかし、あのスターリンと同列に置いて論評しているわけだから、まだ「危険」段階とはいえ、大きな変化を感じる。

 もう1つ、最後のほうでも、ソ連と中国を同列に扱っている。日本共産党に対して「ソ連型、あるいは中国型の社会を目指している」という誤解があるという表現である。

 まあ、日本共産党はどちら型の社会をめざしているわけではないので、これも新しいとは言えないかもしれない。ただ、先ほどと同様、ソ連と中国を同列に置いているという点では、新機軸ではある。

 共産党にとっては、ソ連は「社会主義ではなかった」という位置づけである。一方、中国については、現在の綱領が「社会主義をめざす国」と規定している。これまでは正反対のものという認識だったのだ。

 不破氏が、ソ連と中国を同列に置くとするなら、どちらかの評価を変えることが求められるようになる。ソ連は無茶苦茶歪んではいたが「社会主義」だったという方向に変えるか、中国は「社会主義ではない」と変えるか。どちらかである。

 それにしても、「赤旗」しか読んでいない人には伝わっていないだろうが、本日の各紙は、日本の高校生が毎年ジュネーブの軍縮会議で核廃絶をテーマに行っていた演説を妨害したのは中国だと報道している。核保有国が妨害したことは知られていたが、それが中国だと明らかになったのだ。中国って、ホントにそんな国なんだよね。

 中国が社会主義を名乗っていなかったら、どこにでも存在する独裁国家の1つに過ぎないから、私とて、あまり論じることはないだろう。デカいから目立つけどね。

 でも、社会主義国だと言って堂々としているから、コミュニストとしては反撃しなければならなくなる。中国共産党がソ連のそれのように解体するまで続くことになる。
 

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