慰安婦像除幕式に出なかったね・上

2013年8月1日

つい最近、このブログで「安倍さんは慰安婦像の除幕式に出たらどうか」と警告記事を書いたのだけれど、受け止めてもらえなかったようだ。残念である。

アメリカのカリフォルニア州・グレンデール市のことである。日本政府は結局、これまでと同じ対応をした。慰安婦問題を政治・外交問題にしてはならないという立場から、像の設置そのものに反対し続けたのである。

私は、ブログ記事のなかで、まずは橋本龍太郎から小泉純一郎までの首相が表明した慰安婦へのお詫びの言葉を、安倍さんが除幕式に出てくり返すべきだと書いた。どんなお詫びだったか知らない方もいるだろうから、以下、引用しておく。これは、オランダ首相への書簡の形式だが、ほぼ同内容のものを慰安婦個人に対してお渡ししたわけである。

 我が国政府は、いわゆる従軍慰安婦問題に関して、道義的な責任を痛感しており、国民的な償いの気持ちを表すための事業を行っている「女性のためのアジア平和国民基金」と協力しつつ、この問題に対し誠実に対応してきております。
 私は、いわゆる従軍慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題と認識しており、数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての元慰安婦の方々に対し心からのおわびと反省の気持ちを抱いていることを貴首相にお伝えしたいと思います。
 そのような気持ちを具体化するため、貴国の関係者と話し合った結果、貴国においては、貴国に設立された事業実施委員会が、いわゆる従軍慰安婦問題に関し、先の大戦において困難を経験された方々に医療・福祉分野の財・サービスを提供する事業に対し、「女性のためのアジア平和国民基金」が支援を行っていくこととなりました。
 日本国民の真摯な気持ちの表れである「女性のためのアジア平和国民基金」のこのような事業に対し、貴政府の御理解と御協力を頂ければ幸甚です。
 我が国政府は、1995年の内閣総理大臣談話によって、我が国が過去の一時期に、貴国を含む多くの国々の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたことに対し、あらためて痛切な反省の意を表し、心からお詫びの気持ちを表明いたしました。現内閣においてもこの立場に変更はなく、私自身、昨年6月に貴国を訪問した際に、このような気持ちを込めて旧蘭領東インド記念碑に献花を行いました。
 そして貴国との相互理解を一層増進することにより、ともに未来に向けた関係を構築していくことを目的とした「平和友好交流計画」の下で、歴史研究支援事業と交流事業を二本柱とした取り組みを進めてきております。
 我々は、過去の重みからも未来への責任からも逃げるわけにはまいりません。我が国としては、過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝えながら、2000年には交流400周年を迎える貴国との友好関係を更に増進することに全力を傾けてまいりたいと思います。

以上がお詫びの言葉である。多くの方は、これをどう受け止めるだろうか。(続)

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