私は左翼それとも右翼?反日それとも親日?

2014年2月17日

 Yahoo知恵袋ってあるじゃないですか。何でも質問項目をアップすると、何日間かを期限にして回答を募り、それをそのまま掲載するというものです。

 先日、何と、私がどんな人物かを尋ねる質問がアップされました。曰く、「松竹伸幸氏は左翼、右翼どちらなのですか? また、反日か親日かどちらですか?」ですって。

 いやあ、なんて言ったらいいんでしょうか。私が書いたものをチラッと見て、左翼か右翼か、反日か親日か分からないとしても、理解力が不足しているというわけではありません。理解を超えたことを書いているということでしょうから、大変名誉なことだと思います。いくつかの角度からそう思います。

 まず、世の中のいろいろなことは、そんな二分法で分かるほど単純ではありません。反日か親日かは、その代表ともいえるもので、ふつうの生活においても、愛するが故に批判することもあるわけで、批判の対象にならないのは関心の対象になっていないのと同じことだと思います。

 しかも、左翼や右翼を自認する人のなかでも、ふつうの国民のなかでも、左翼と右翼の区分けがあまりにも陳腐になっていると思います。自衛隊を否定するのが左翼で、肯定するのが右翼、というのに象徴されるでしょう。ドイツナチスの占領支配に対して、右翼が平和的に屈服したのに対して、左翼は武器をとって立ち上がったのであって、武力をもってしてでも独立と主権のために戦うのが、左翼本来のあり方なんです。

 さらに、国民がそれなりの支持をあたえる主張というのは、相反するように見えても、どこかに納得できるところがあります。たとえば、いま、原発をすぐになくすという主張でないと、市民派には受け容れられないという現実があります。だけど、国民多数が支持する段階的廃絶という主張がおかしいかというと、決してそんなことはありません。そういうとき、その両方の対話を促進し、協力関係をつくるのが、左翼本来のあり方だと思います。市民派に沿った主張をしているだけでは、市民運動がひとつ増えるだけであって、左翼の役割を果たすことにならない。

 ということで、私は個人的に、以前は「左翼内保守」とか「左翼内タカ派」とかも使っていましたけど、現在は「超左翼」だと自認しています。これは、私の個人的な信条であって、出版社としてはまた独自のスタンスですけれど。

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