グレーゾーン、PKO、集団的自衛権

2014年5月21日

 本を書き終わって、少し脱力感があるけれど、そんなこと言ってられないよね。与党協議はどんどん進んでいくし、今夜は講演会だし。

 与党協議が、グレーゾーン、PKO、集団的自衛権の三つの分野に分かれ、その順序で進められるのは順当なところだろうと思う。もともと性格の異なるものなのだから。

 どれにも自衛隊をどう使うかという問題が絡み、武器使用の問題にもつながっている。そこに目がいってしまって、どれにも自衛隊が武器を使うことだから等しく反対ということになってしまうと、「なんでも反対」というように写ってしまう。

 もちろん、どれにも反対でいいんだが、その論立てとか、反対の強度とかは、違ったものでないと、説得力に欠けることになると思う。公明党が三つに分けることを求めたのには、それなりの道理があるのだと感じる。

 グレーゾーンは日本防衛の課題である。しかも、中国の尖閣問題での挑発とか、潜水艦問題とか、北朝鮮の横暴とか、国民が現実に不安を感じる分野に属している。だから、それぞれの問題で、国民が「そういうものなら安心だ」というものを打ち出せないとだめだろう。

 PKOは集団安全保障の課題だ。憲法制定議会において、当時の政府は、憲法九条のもとで、日本の安全は国連の集団安全保障に頼ることを宣言していた。だから、集団安全保障をどう捉え、どう強化していくのかは、誰よりも日本が当事者として考えなければならない問題である。武力を使う問題だから日本にとっては人ごとだという認識では、この問題での道理を欠くことになる。

 焦点となっている「駆けつけ警護」のことを考えても、遠くにいるか近くにいるかは別にして、NGOとかが襲撃されているとき、それを黙ってみていろというのは、自衛隊員にとっては酷な選択だと感じる。だから、そういう自衛隊員でも納得してもらうには、どういう問題の立て方をしたらいいのか、よくよく考えるべきことだ。

 一方、集団的自衛権は、歴史の実態からみれば、侵略と介入のために武力を行使してきたということで、日本がそれに参加することには躊躇せず反対でいいわけだ。だけど、その実態を隠すため、安倍さんが記者会見でやったように、いろいろなごまかしをしてくる。それをどう暴くのかが、この問題の課題であろう。

 石破さんは、この三つをセットにして与党協議の結論を得るみたいなことを言っている。しかし、これはセットにできるようなものでないことを、とりあえず口を大にして言っていかねばならないだろうね。

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