政権を担う覚悟のある野党がいない総選挙

2014年11月21日

 いよいよ解散ですね。投票日まで25日しかないから、瞬く間に終わってしまいそうです。それにしても、この間の政治の流れからすると、かなり変わった選挙ですよね。

 自民党が安定多数を誇っていた80年代までは別にして、それ以降の20数年は、「政権交代」ということが問われてきました。実際に、細川政権とか民主党政権とか、自民党政権とは異なる政権が誕生したこともあります。この間、多くの野党は、選挙になると「政権交代」をスローガンにして戦ったわけです。

 ところが今回、「政権交代」を掲げる野党がひとつも存在せず、そういうなかで選挙がやられそうです。これをどう考えたらいいんでしょうか。

 しかもですよ、安倍政権には退陣してほしいという声が、いま街場には充満しているわけです。それなのに、安倍政権に変わって○○政権を、というスローガンを掲げる野党は存在しない。

 この状況をどうとらえ、何を国民に訴えていくのかが、選挙の行方を左右する感じがします。あれこれの政策ではない、まさに政権交代論です。

 いや、私にも全然分からないんですけどね。みなさんは、どうですか。

 うっすらとした記憶ですが、ロシア革命のちょっと前のことです。政治集会で、ツアーに対する不満は充満しているのに、政権を担える政治勢力がいないことが問題になったそうなんです。その時、レーニンが手を挙げて、「ここにいるぞ、ボルシェビキが担うのだ」と宣言したんです。そうしたら、会場には嘲笑が広がったとか。

 まあ、ソ連が崩壊して、あのタイミングで革命をやったのが間違いだったという議論もあります。社会も党ももっと成熟が必要だったという議論もあります。

 だけど、少なくともレーニンは、国民のなかに渦巻く不満の強さというものを自覚していたんですね。きわめて少数の勢力だったけど、政権交代を訴えても支持されると思っていた。他の政治勢力は、まったくそういう自覚がなかったわけです。

 いまの日本の安倍首相に対する不満の強さというのは、その時のロシアほどではないんでしょうか。不満は、一部でかつてなく強いだけであって、国民多数はアベノミクスを支持していて、政権交代を望んでいないんでしょうか。 

 そんなことはないでしょう。まあ、そうだとしても、安倍政権を退陣させ、別の政権に変える道筋は、多くの国民が知りたがっていると思います。それこそが、今回の選挙で問われる最大の争点だと思います。

 今回の選挙はステップであって、何回かの選挙を通じて政権交代を果たしていくのか。自民党の議席が減り、対抗勢力が前進すれば、国民世論が盛り上がって与党に亀裂をもたらし、リベラル保守の政権に交代するのか。その他その他。

 いろいろな野党から、どんな考え方が出てくるのか、楽しみです。みなさんは、どうですか?

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