今年の流行語大賞は「集団的自衛権」

2014年12月1日

 昨日から東京。3日(水)まで日程がびっしり詰まっている。その空き時間をつかって、3月に出したい福島関連本の原稿チェックというか、リライトの仕事もしなければならない。いや、大変。日程の3分の1は、やはり福島関連。なんで、こんなに足を突っ込むことになっているのかなあ。

 ところで、今年の流行語大賞は「集団的自衛権」だそうだ。いま、前に座っている東京事務所の社員が、それを聞いて怒って、「それって、流行語程度のものにしていいんですか!」だって。

 そっか、そういう見方もあるか。私なんか、自分の本がまた注目されればいいなと、浅はかな思いを抱いたのに。恥ずかしい。

 ただ、それでも、「集団的自衛権」が言葉としても人の目にふれ、耳にする機会が増えるのはいいことだ。選挙が明日は公示になるというのに、自民党は選挙公約でこの言葉さえ使わないしね。それなのに、集団的自衛権の閣議決定を批判されると、居丈高に非難をくわえる。

 安倍さんに欠けているのは、「日本国」の首相という自覚だと思う。自民党の総裁は、他の政党の党首と異なり、「日本国」を代表している。その自覚がない。

 集団的自衛権をめぐっても、自民党総裁としての安倍さんは、批判者には反論しなければならないだろう。だけど、首相としての安倍さんは、国民の多数は閣議決定に賛成しておらず、自分はそういう国民をも代表しているという自覚が必要だ。

 この間、話題になっているが、フェイスブックでの対応は、まさにネット右翼の代表としての言動である。テレビに出て、自分への批判があると、不公正な扱いがされているかのように振る舞う。

 昔の自民党の首相や大臣は、対立する党派の紹介で陳情団が来たときなんか、「いやあ、○○党の先生は立派な方ですよ。そんな方の陳情だから、がんばりますよ」なんて持ち上げて、そういう団体にも支持を伸ばそうとしたものだ。

 いまの安倍さんは、気持ちの余裕がないのだろうか。敵を仲間にしようなんて考えず、敵は敵として排撃するだけ。そんなことでは、自分の支持者は熱狂的に盛り上がるかもしれないけど、ふつうの人の目から見て、信頼がなくなっていくと思う。

 まあ、安倍さんの信頼がなくなることだから、それでいいと言えばいいのだけど、日本の政治の信頼性ということで見ると、大きな損失である。

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