慰安婦問題解決への合意をふまえて

2015年11月3日

 昨日、午前中は京都で仕事。昼に新幹線に乗って、夕方から東京で何人かとお会いする。

 まず、来年1月に刊行する『マルクスならいまの世界をどう論じるか』の打合せをして、ついでにその著者と訪ねるロシア、イタリアの旅の相談。ロシアでコミュニズムの立場を貫いている学者(もちろんロシア共産党とは何の関係もない)にソ連崩壊の原因を語ってもらったり、イタリア共産党の大幹部だった人に共産党解体の経過を聞いたりと、豊かな旅になりそう。

 夜は、「未来への歴史シリーズ」で取り上げるある人物について、ある方とご相談。難しい問題も多いが、何とかして実らせたい。

 その相談をしている最中、日韓首脳会談のニュースが知らされた。慰安婦問題を全体として前向きに、早期に解決しようと合意されたとか。

 朝、詳しく新聞で見たけれど、想定通りの方向だね。法的に決着済みという日本側の態度は変えない範囲で、いろいろと模索しているのだろう。

 だから、いずれにせよ問題は、そういう解決策を韓国側がどう受け入れるのかということになってくる。挺対協のなかには、慰安婦が生きている間に解決するという考え方について、妥協するくらいなら慰安婦が死に絶えることがあっても原則を貫くべきだという立場の人も少なくない。

 そういうなかで、法的責任を回避している河野談話の重要性、人道的責任を果たすということの重みなどについて、韓国世論が納得するためにどう働きかけていくかが、これからの大切な課題である。妥協が妥協ではなく、理想へのステップだということを理解してもらうのである。

 批判を受けようとも、私は私の立場を貫いていきたい。それが慰安婦の方々にとって大事なことだと思うので。

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