昨日のお答え

2015年12月3日

 山下さんがお話しされたことの報道は「赤旗」にあったし、質問の一部とやりとりも紹介されていましたが、私の質問へのお答えはなかったですね。それで私が勝手に書きます。

 一つ目は、運動している側は、戦争法のこの部分はよくてこの部分はダメという運動をしてきたわけではないし、現在もそういう立場をとっていないので、やはり全体を廃止するのをめざすということでした。ただし、廃止した上で、その次の段階として、民主党などが領域警備法などを国会に提出して成立をめざすということもあり得るだろうとおっしゃっていました。

 二つ目は、やはり党としては自衛隊違憲という立場も変えないし、将来は廃止することをめざすが、政権としては「自衛隊は合憲」ということになるだろうとのことでした。二つとも当然といえば当然ですね。

 山下さんを困らせるのは本意ではないので、いちばん聞きたかったことは、昨日はオモテに出しませんでした。それを書いておきます。

 何かというと、共産党の大会決定との整合性です。共産党は2000年に開いた第22回大会で、当時は「自衛隊活用論」と呼ばれていた方針を決めました。急迫不正の侵害と大規模災害のときは自衛隊を活用するというものです。

 私としては当然のことだと思っていましたが、実は、この方針は、適用される時期の問題があったのです。どういうことかというと、自衛隊を活用するというのは、共産党が政権をとり、安保条約を廃棄した後の方針だということで、現在も含め、それ以前の段階では同じ方針はとらないとのことでした。

 私には大会決定がそういう立場だとは思えませんでした。政権をとったらするということなら、いまやっても正しいと思いますし。しかし、共産党によると、いま紹介した立場が「有権解釈」であって、それ以外の解釈はあり得ないということだったのです。何回も確かめたことですので、間違いはありません。

 ところが、今回、そこが変化しました。国民連合政府というのは安保条約を維持する政府ですから、その段階で自衛隊を活用するというのは、大会決定の解釈とは異なるわけです。共産党は毎週、常任幹部会という会議でいろいろな問題を決めているのですが、そこの議論内容(常幹メモと呼ばれます)によると、この解釈変更は22大会決定の「発展」だということです。

 180度ほど違うことを「発展」といってしまっては、法的安定性という観点からしてどうなんでしょうかということを、実はいちばん聞きたかったんですよね。まあ、私の解釈と同じになったのですから、内容はすごく支持しているんですけどね。

 出版社としては、共産党の安全保障政策の変遷というか、「発展」を本にするというのも、すごく意味があるかと感じています。すでに私としては、ほぼ書き終わっていますけれど。

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