股割き状態から抜け出すには

2016年2月9日

 京都市長選挙の結果は衝撃的でしたね。この間、「共産党VSその他全部」という構図がずっと続いてきましたが、何百票差ということも含めずっと競ってきたわけですから、ダブルスコアという結果にはみんな驚いていると思います。

 民主党票の一部は本田候補に流れたようですが、共産党票の一部も門川候補に流れています。数だけ見ると、共産党は基礎票をようやく確保した格好です。

 昨日の京都新聞によると、敗因は自治体選挙なのに戦争法を最大の争点に掲げたことにあるとされました。ただ、戦争法の問題があったので、これまでと比べて広い支持があったのも事実なので、それを言うなら、これを争点として掲げたということ自体ではなく、市政の争点で相手陣営を圧倒するだけのものを提示できなかったということになるでしょう。

 それよりも何よりも、街中の雰囲気を見ながら感じるのは、もっと路線上の問題で克服すべきことがあるのだと思います。戦争法反対陣営が共通して考えなければならない問題です。

 いま、共産党の志位さんの提案もあって、参議院選挙の一人区では協力しあおうという空気が充満しています。それが民主党にちゃんと伝わっているかどうかは別にして、それを望んでいる人、現場で運動の中心にいる人は、そういう気持ちで一杯でしょう。

 一方、それは一人区に限られています。共闘しないでも当選する可能性のあるところでは、そもそも野党共闘に向かうモチベーションも存在しません。京都のように二人区で自民党が圧倒的に強い場合、民主党と共産党の関係は、「自民党を落として民主、共産の二議席を」ということにはなりづらく、口でどう言うかは別にして、相手を追い落として自分の当選をめざすということになります。

 さらに、京都の場合、お隣の大阪のことも影響します。維新を落とすためには戦争法に賛成する自民党とも協力したということです。

 おそらく、こういう政治状況は、少なくない有権者を戸惑わせていることでしょう。野党共闘なのか、独自路線なのか、自民とも協力するのか、そういうことをめぐって股割き状態にあるわけです。全国的に野党共闘を進め、その路線を讃えていると、独自路線のところが間違って見えてくるし、その逆もあります。

 こういう状態をスッキリと一言で有権者に説明できるような言葉と実際の活動が求められるのだと思います。そう容易ではないでしょうけれど。

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