自衛隊を活かす会の今後

2016年12月26日

 一昨日、自衛隊を活かす会の今年最後のシンポジウムでした。トランプさんが登場することになって、各国が自国の防衛をどうするかを真剣に考えることが求められるので、「自衛隊は尖閣を守れるか」がテーマはタイムリーだったと思います。

 実際に尖閣をめぐる衝突が起きるとすると、海→空→陸の順に対応することになるでしょう。ですから、元2等海佐の伊藤祐靖さん、元空将の織田邦男さん、元陸将の渡邊隆さんの順に報告をお願いし、最後が会の代表・柳澤協二さんでした。

 なるべく早く動画そしてテキストと公開しますので、是非ご覧頂きたいのですが、私にとって大事なのは、やはり自衛官のナマの発言が聞けることです。日本の防衛を現場で担っているのが自衛官なのに、何を考えているのかを聞ける機会って、ほとんどないのが現状です。政治に従うというスタンスを貫いている方がほとんどなので、個人の考えを発信することはしないということもあるでしょう。あるいは憲法九条があって、自衛官に発言することを認めないという、護憲派を中心とする政治の雰囲気もあったかと思います。

 だけど、実際に防衛を担う20数万の人々の考えが伝わらないというのは、やはり正常ではないと思います。防衛政策を立案するのは官僚で、それを決定するのは政治の責任であったとしても、国民も現場の自衛官の考えを知っておく必要があると思います。

 そういうことで、この自衛隊を活かす会は、いわゆる市民というだけでなく、いまやマスコミの勉強会みたいな性格も帯びてきましたね。ここに来ないと、自衛官の本音が聞けないわけですから。

 それに加えて、防衛政策と言えば政権がつくるものしかないという現状を脱して、別の選択肢を議論し、提示する場としての意味も持ちつつあると感じます。この間、アメリカとかロシアの大使館からも軍人や政務官などが参加するようになっています。きっと、安倍政権のものと替わるものが提示されるのか、興味と関心を持たれているのだと思います。

 そういう「期待?」に応えなければなりませんね。今後は、こうやってシンポジウムを開いて議論するというシンクタンク的なものに加え、実際に防衛政策に影響を与えるような形で発信できるよう、いろいろ努力したいと考えます。ここに参加しないと取り残されると言われるような場にしたいですね。

 来年は日米同盟をどうしていくかが大きなテーマですが、そのなかで地位協定問題、沖縄問題、海兵隊問題などにも挑んでいきます。とりあえずは南スーダン問題での対案の提示です。来年も自衛隊を活かす会をよろしくお願いします。

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