安倍晋三×泥憲和

2017年3月6日

 タイトルは先週末の記事に似ている。でも、それと違って、対談をやって本をつくろうというのではない。

 昨日、柳澤協二さんが尼崎に来られて、日本の安全保障をどうするのかという講演をした。主催は、「あすわか」と「ママの会」の大阪、兵庫の支部。中国脅威論にまみれている人に対して、どう安全保障を語っていくのかという企画だった。その内容は秋頃には本になるので、乞うご期待。

 講演会が終わって、いつものように懇親会。そこで泥さんが入院してガンに打ち勝つために頑張っていることが話題になった。

 その際、柳澤さんがおっしゃったのが、信念のために命をかけている双璧が、安倍さんと泥さんだねということだった。その信念の内容は正反対ではあるけれども。

 安倍さん、中身の評価はともかく、あれだけ濃い日米首脳会談をこなして、日本に帰ってからも国会対応で身を削っている。柳澤さんの見立てでは、改憲のために殉じようという気迫を感じるという。そうかもね。「侵略」など4つのキーワードを盛り込んだ戦後70年談話とか、経済界に賃上げを求める姿とか、自分の信念を抑えてでも、改憲の多数派を形成するための努力なのだろう。

 一方の泥さん。余命1年の宣告を受け、なんとか生きているうちにと、周りのみんなが協力して『安倍首相から「日本」を取り戻せ!!』を出したのが2014年11月。その出版から2年半、もうガンは消えてしまったよねと思わせるほど、毎週どこかに呼ばれて、訴えてきた。戦争法反対の闘いを経て、現在、市民運動と自衛官が連携できていると実感できるのも、最初にデビューした泥さんの訴えが、憲法9条のある日本で自衛官をしてきた誇りに満ちあふれていて、防衛というものと護憲というものを、見事に合体したからだと思っている。

 柳澤さん、こんな二人のようなことは自分にはできないと言っておられた。だけど、70歳になって、例えばこの1週間、週の初めは沖縄で普天間基地問題でのシンポジウムに参加し、東京に戻ってきて鳩山由起夫さんとの対談をこなし、この週末は大阪弁護士会の講演会、そして昨日の尼崎と、超人的な日程である。しかも、その間に、自衛隊を活かす会で準備している『新・日米安保論』(集英社新書)の長めの「あとがきに代えて」を執筆してもらっていて、その初校ゲラもご自宅に届けたばかり。春に開催予定の南スーダン企画に向けて公表する予定の「提言」も点検をお願いした。信念のために命をかけていますよね、十分すぎるほど。

 それにしても、安倍さんと泥さんの対談、夢物語でしょうかね。まず泥さんに意欲を持ってもらわなくちゃ。

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