長い出張の終わり

2017年12月26日

 ようやく本日、京都に戻します。5泊6日でした。

 昨日は「自衛隊を活かす会」の第15回シンポジウム。「北朝鮮の核・ミサイル問題にどう臨むか」をテーマにして、政治、経済、外交、防衛の専門家をお呼びして、あらゆる角度から議論しました。北朝鮮問題が議論される場面はどんどん増えていますが、これほど包括的に、冷静に議論する機会は、あまりないのではと思います。たぶん、弊社から本にすると思いますので、ご期待下さい。

 元陸上幕僚長の冨澤暉さんが、ミサイル防衛システムについて、「ないよりは、あった方がいい」という言い方をしておられました。これって、普通の人びとの感覚だと思いました。「これでミサイルを防げる」みたいな勇ましい議論は、ほとんどの人が信じていないでしょう。同時に、「配備すべきでない」という議論も、国民の不安感からかけ離れています。そこを、制服組のトップだった方が、うまく表現してくれました。

 太田昌克さんのお話を伺うのは、今回が初めてでした。だけど、太田さんが書いた本は、核問題の闇を解き明かす貴重なものなので、ほとんど読んでいます。昨日のお話も、ジャーナリスティックであると同時に、非常に専門的で、貴重なものでした。同時に、日本の核武装の可能性について質問され、記者(共同通信)として最初に配属された広島で知り合った被爆者の話をしながら、絶対に核武装は許されないと熱く語っておられて、そういう信念がお仕事を支えているのだと分かって、納得させられました。

 北朝鮮経済論をお願いした今村弘子さん(富山大学教授)。北朝鮮の核・ミサイル問題を論じるうえでは経済のことを知らなければと、「自衛隊を活かす会」の呼びかけ人と議論になったとき、すぐに頭に浮かんだのが今村さんでした。10年ちょっと前、『北朝鮮 虚構の経済』(集英社新書)という本を出されていて、すぐに読んで感動したんです。経済分析もそうですけれど、北朝鮮経済を立て直す方策みたいなものも提言しておられたんですね。核・ミサイル開発も含む大型の経済プロジェクトではなく、農業など小規模な経済振興を提唱しておられて、北朝鮮の国民のことも考えているし、核・ミサイルを拒否する方向性も明確だし、一度お話を伺いたいと思っていました。

 そして柳澤協二さんのいつもの合理的で、深いお話でした。早めに本にしたいと思います。

 さすがに疲れたので、本日はここまで。明日は午前中が本社の大事な会議で、午後は神戸で講演会。なかなか休めませんね。

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