京都新聞の見出しと中身は大違い

2018年4月26日

 本日出勤して「京都新聞」に目を向けたら、1面トップはなにやらすごい見出し。「自民改憲4項目否定多数」「安倍政権下反対6割」「国民理解得られず」と踊っている。共同通信の世論調査の報道である。

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 「ほーっ」と思って目を通してみた。なんだ、そんな単純な見出しが立つような中身ではないですよ。

 確かに、4項目に賛成か反対かの問いに対して、反対が多数である。しかし、焦点である9条に限って言うと、賛成44%と反対46%である。リードにもこの項目だけ「拮抗した」と書いてあって、見出しと中身の乖離が際立つ。

 しかも、問題は中身である。この設問は、「あなたは「戦争放棄」や「戦力の不保持」を定めた憲法9条を改正する必要があると思いますか」というものなのだ。そう、改正一般を聞いていて、現在焦点となっている自衛隊を明記する加憲案についての賛否ではないのである。

 あれれと思って、さらに詳しく見ると、加憲への賛否も問われている。「安倍首相はこの規定を維持しつつ、9条に自衛隊の存在を書き加えることを提案しています。あなたはどう思いますか?」という問いだ。どういう結果か。

 9条の第2項を維持して、自衛隊の存在を明記する(40%)
 9条の第2項を削除した上で、自衛隊の目的、性格を明確にする(28%)
 9条に自衛隊を明記する必要はない(29%)
 無回答(3%)

 そうなのだ。実際の焦点である「加憲」について問われると、反対するのは46%から29%へと激減するのである。加憲案支持とさらに踏み込んだ改憲支持の合計は68%と圧倒的。名前だけか目的も含めてかの違いはあっても、どちらも「自衛隊」を明記するものなのである。

 29%VS68%。ダブルスコアーよりさらに離されている。

 京都新聞は、この結果を見て、「まずいな」と思ったのでしょうかね。正直に見出しを立てていない。とりわけ地方紙を読んでいるみなさん。だから安心してはダメなんですよ。

 「自衛隊を明記することに反対」と叫べば叫ぶほど、国民の気持ちから浮いていくということである。「ああこの人は、自衛隊を否定したり、消極的に捉える立場から、自衛隊の明記に反対しているのだな」と思われてしまったら、宣伝が進めば進むほど、護憲の支持は減っていくことであろう。

 逆なのである。「ああこの人は、自衛隊を愛していて、尊重する立場から、自衛隊の明記に反対しているのだな」と思わせないといけないということなのだ。

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