福岡市長選挙で神谷貴行氏を応援する・上

2018年10月9日

 10月5日、福岡市長選挙に神谷貴行さん(共産党福岡市議団事務局長)が立候補することを表明しました。その2日前の3日、神谷さんに立候補を要請する集会があって、共産党福岡市議団などでつくる市民団体「市民が主人公の福岡市をめざす市民の会」が主催だったのですが、そこから何と私に参加依頼があったので、福岡まで行って応援演説のようなものをしてきました。以下、その演説の要旨です(上下2回)。

 神谷さんのことをはじめて知ったのは15年前です。私が『前衛』という共産党の月刊誌に書いた有事法制反対の論文を、自分のブログに全文掲載したいというメールがあった時でした。そのブログを見ると、神谷さんがなぜこれを全文掲載したかという「まえがき」のようなものがあって、「自分の考えと近いからだ」と書いていました。当時、平和勢力のなかでは有事法制全面否定の議論が主流だったのですが、私は、「いくら何でも日本が侵略された時の法制は否定してはならない」という考えを持っていて、「しかし、提出されている法制は、そういうものとはほど遠い」という立場で寄稿したのです。そこに共感してくれたのだと思います。その後の私は、護憲派にも防衛戦略が必要だと感じて『憲法九条の軍事戦略』を書いたり、元防衛官僚の柳澤協二さんを代表にして「自衛隊を活かす会」をつくったりしましたが、その度に、紙屋さんは応援のエールを送ってくれました。

 ブログ以外ではじめて神谷さんの文章に接したのは、若者向けの超左翼マガジン『ロスジェネ』をつくったときです。その創刊号に神谷さんの寄稿があって、それは何と、「ネット右翼に会いに行った」という内容のものでした。普通、左翼というのは、ネット右翼と聞くと、良くてもただ反論する対象だと思う程度で、実際には何を言っているか読みもしないというのが現実でしょう。ところが神谷さんはそういう人に会いに行って、よく話し合って、もちろん右翼的な考え方をしているわけだが、現実の生活は貧困なもので、それをなんとかしたいと考えていることをつかんできた。そして、そういう貧困を生み出している自民党政治を正すため、右も左も手を結ぼうよという趣旨で書いていたのです。

 神谷さんに最初に書いてもらった本は、『理論劇画 マルクス「資本論」』です。当時、その貧困が大問題になり初めで、小林多喜二の『蟹工船』がバカ売れして、左右を問わず出版社は、「この次に読者が求めるのは何か」を追い求めていました。一つの共通の結論は、「きっと貧困の原因はどこにあるのか」というところに関心が向かうだろうというもので、「それは『資本論』だ」と多くの人が思ったのです。実際、雨後の竹の子のように関連の本が出されました。私も同じ考えでしたが、ただの解説書ではダメだろうと思い、神谷さんに相談したら、「劇画でやりましょう」ということになったのです。爆発的に売れました(他社の本はあまり売れませんでした。たぶん)。この本、分かりやすいのは当然なのですが、関西在住のある経済学者から、『資本論』第一巻の神髄である剰余価値について、「他のどの本よりも深い」という評価を頂きました。(続)
 

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