福岡市長選挙で神谷貴行氏を応援する・下

2018年10月10日

 これまで紹介してきた神谷さんの考え方、人となりというのは、政治家にとって欠かせないものだと思います。

 政治家というのは、とりわけ自治体の首長をはじめ行政の代表というのは、特定の政策、イデオロギーを持つ国民(市民)の代表ではありません。すべての市民、国民の代表です。

 安倍首相が秋葉原の演説で、自分に反対する人たちを指して「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と悪罵を投げかけたことは記憶に新しいでしょう。この演説が違和感を抱かせるのは、総理大臣というのが、ただ自民党支持者の代表というのではなく、擬制ではあっても、やはり国民の代表だからです。自分個人の政策、イデオロギーは自民党のものであっても、他の考え方、イデオロギーの人も含む国民全体の代表として、そういう方々へのリスペクトが必要だからです。

 そういう政治家としての資質は、自民党の総理大臣に必要というだけではなく、左翼や共産党の政治家にも同じように不可欠です。その点で紙屋さんは、護憲という理想で揺るがないのだけれど、侵略にたいする反撃は必要だという現実感覚を持っていて、自衛隊に対するリスペクトもあります。ネット右翼だからとって排撃するのではなく、そこに近づいていって共感できる部分を見つけだす気持ちも持っています。理論的に深いものを持っているけれど、それをマンガで分かりやすく表現する力もあります。

 要するに、神谷さんというのは、安倍さんと対極にあって、福岡市民の代表として不可欠な資質の人だということです。本日出されたみなさん方の要望には真剣に向き合ってくれるでしょうけれど、それだけではなく、ここに参加していない方々、こういう集まりに違和感を持つ方々とも対話し、市民の代表として行動できる人だということです。

 福岡から出た政治家の一人に、自民党幹事長を務めた古賀誠さんがいます。その古賀さんが運輸大臣の時、共産党の国会議員の紹介で、東京の新日本婦人の会の方が陳情のために大臣室に行きました。私はそこに同席していたのですが、古賀さんは、要望を真摯に聞いてくれるだけではなく、同時に、その共産党議員のことをあれこれ事例をあげて褒めあげるのです。それで新婦人の方は、支持政党は変わらなかったでしょうが、いっぺんに古賀さんのファンにもなったと思います。自民党というのはこうやって支持者を増やしているんだと理解できました。先日、古賀さんと別件でお会いしたとき、「あれはおべんちゃらのようなものだったのですよね」と尋ねたら、「いやいや本気でしたよ」と言っておられました。

 政治家というのはそうでなくてはいけないと思います。神谷さんならそういう市長になれます。

 最後に一つ。私が神谷さんに最初にお会いしたのは、『理論劇画 マルクス「資本論」』を出したあと、京都に講演会のためにお呼びしたときでした。その頃、私はまだ東京事務所で仕事をしていて、そこに出入りしていた神谷さんのお友だちに対して、「神谷さんにはじめて会うんだよ」と言ったら、こういうんです。「松竹さん、待ち合わせ場所が混雑していても、絶対に間違いませんよ」。「なぜ?」と聞くと、「だって、昭和天皇の顔をした人が歩いていたら、それが神谷さんですから」。

 神谷さんは、考え方が市民の代表というだけではなく、風貌まで国民統合の象徴のような方なのですね。頑張ってください。

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