2014年12月22日

 はい、高田馬場駅から徒歩1分の伊藤塾です。『安倍首相から「日本」を取り戻せ!!』の出版記念講演会です。

 昨夕、人に会う用事があって、麻布十番にいたのですが、ちょうどそこで夕方まで、民団中央本部などの主催で、ヘイトスピーチの根絶めざすシンポジウムが開かれていたんですね。それで、せっかく同じ場所にいるなら、シンポジウムのあとの懇親会に顔を出さないかと言われ、行ってきました。はじめて民団の幹部の方々と語り合ってきました。私が出す慰安婦の本なども紹介しましたが、今後、いろいろおつきあいをお願いすることになりそうです。

 そこでも、明日は泥さんの出版記念講演会だと言うと、ほとんどの方は、泥さんのことを知っておられました。さすがですね。

 その泥さん、昨日は宇都宮健児さんと対談し、明日23日は、「自衛隊を活かす会」のシンポジウムにも参加します。日比谷公園のなかにある日比谷図書文化館大ホールで、午後1時45分からです。

 泥さん、むちゃくちゃなスケジュールですが、まだ車いすから解放され、松葉杖を使いはじめたばかりなんですが、大丈夫でしょうか。本日の講演会に行けないというかたは、明日のシンポに来ていただければ、泥さんとも交流できますよ。

 私も、これから国立市に行ったり、明日から明後日の取り組みに忙しいので、本日はこれで失礼します。

2014年12月19日

 ということです。いろんな仕事があります。

 まず、来年の3.11に向けて出す本のこと。1月に、以前お知らせした『国と東電の罪を問う 私にとっての福島原発訴訟』(井上淳一、蓮池透、堀潤、松竹伸幸、「「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団・弁護団」/著)がありますが、それ以外にも、2月に出す本がふたつ。

 ひとつは、『文化面から捉えた東日本大震災の教訓』(木下達文/著)です。震災直後から開始された文化面での被災情報や再建のためのネットワークづくりの実態や課題、地域ごとの文化施設の被災状況や再建のための課題、高台移転とその障害となる埋蔵文化財など分野ごとの課題、大地震にも強い竪穴式住居など古来からの知恵を活かした「住まう文化」の提唱など、包括的に分析を加えたものです。値段も高くなると思いますが、関係者必読文献です。

 もうひとつは、『福島のおコメは安全ですが、食べてくれなくても結構です』。びっくりしましたか。福島の農民の闘いを描いた本です。このタイトル、意表をつくためにわざとつけたのではなく、まさにその農民の考え方と実践をストレートに表現したものなんです。詳しくは、今後書いていきますが、福島のおコメは安全かどうかの議論、放射能問題での世論の分裂に、大きな一石を投じることになると思います。

 その著者に会ったり、話を聞いたり、いろいろしています。

 それ以外に、『安倍首相から「日本」を取り戻せ』の著者・泥憲和さんの出版記念講演会。これまで神戸、京都、大阪と開かれてきましたが、東京でも開かれます。

 東京での講演会、すごいメンツです。池田香代子さん、伊藤真さん、柳澤協二さんが来られて、あいさつをされます。最初に出した本で、こんなに注目されるなんて、すごいですよね。

 22日(月)の午後6時半、高田馬場駅早稲田口より1分の伊藤塾が会場です。東京周辺の方は、是非、お越しください。もちろん、泥さん、車いすから松葉杖まで回復し、参加されます。

 その他、いろいろ。慰安婦問題での本について某大手出版社との打合せとか、個人的な用事もあります。東京は寒いです。全国もかな。

2014年12月18日

 アメリカとキューバが国交正常化に向けた交渉を開始するって、大ニュースだ。いろいろ障害もあるだろうが、成功することを願う。

 社会主義を名乗る国って、たぶんほとんど行ったことがある。キューバ、中国、ベトナム、北朝鮮。そのなかで、キューバというのは民主化に一番近い国だという感想を持っている。なんというか、人の表情がいちばん明るいし。

 だいぶ前になるが、ローマ法王が訪れた際、政治犯100名以上を釈放したことがあった。他の社会主義を名乗る国で、そんなの聞いたことがない。

 まあ、キューバ的には政治犯ではないので、ローマ法王も政治犯という言葉を使わず、キューバの国内法に違反して牢獄にある人々として、釈放を求めたのである。相手側にそういう配慮があれば、そんなことができたりする国でもある。それなりの福祉水準をつくっているので、多少の民主化で政権党は揺らがないという自信もあると思う。

 アメリカとの関係が正常化して、政治的軍事的な緊張が緩和したら、複数政党制や自由選挙に向かうことを期待したい。そうやって、水準は低いけれども社会主義だよね、という国づくりに励んでほしい。

 なお、私自身は、複数政党制も自由選挙もない国のことを、社会主義国だとすることに反対である。それに向かっている国だとか、そんな位置づけをすることにも賛成できない。

 もともとマルクスは、政治的な権利の獲得のために全力で闘うわけだが、それだけでは人間が幸福になれないことを早くから見抜き、社会的な権利が大事だとして、社会主義を構想したわけである。政治的な権利は、社会主義の前提なのである。その前提を欠いている国を社会主義だと言えるはずがない。

 中国なんか、いま複数政党制や自由選挙を否定しているというだけではない。そういう方向に向かうこと自体を否定しているのである。とても社会主義だとは言えない。

 経済面に限定して社会主義的な要素があるかどうかという程度の議論なら、まだついていける。でも、国有化とか国家の規制とかをもって判断の基準にすると、資本主義にだってそういう要素があるから、やはり社会主義かどうかの議論は難しいと思うんだけどね。

2014年12月17日

 アルジェリアのフランスからの独立戦争を描いた名作。この映画が封切られたのが1966年。日本に入ってきたのは、その2年後くらいだろうか。

 大学生のいとこに連れられ、中学1年生で観に行った記憶がある。ベ平連をやっていたから、私を感化しようとしたのかもしれない。いまは姫路で創価学会の幹部をやっているそうだけど。

 突然そんな話をしたのは、慰安婦問題の本を執筆が最終局面に入ろうとしていて、それを論じるのに、世界的な植民地支配のこととか、あるいは戦後の和解の事例とかを勉強しているからだ。その過程で、「アルジェの戦い」を記述している本があって、なつかしく思い出した次第である。

 この映画、いまの日本にとって教訓的だ。ふたつの点で。

 ひとつは、「対テロ戦争」の文脈。フランスにとって、この独立戦争は「対テロ戦争」である。「対テロ戦争」の原則は「味方でなければ敵」というもので、敵を見つけだすために徹底的な拷問をやっていく。それが敵を大量に作り出し、フランスは敗北していくのである。ああ、いまも同じことをやっているんだと感じる。

 というか、この映画、2003年に「対テロ戦争」をはじめたアメリカの国防総省が、幹部教育用に上映したらしい。アルジェリアでフランスが負けた原因をつかもうというのがその趣旨。だけど、つかめなかったんだね。

 もうひとつは、植民地支配の文脈。アルジェリア独立戦争と呼ばれるけれど、フランスがこれを「戦争」だと認めたのは、62年の独立から35年もたった1997年。それまでは、アルジェリアで起こっていたことは、フランス国内の「治安維持」の問題だという位置づけだったわけである。

 フランスがアルジェリアの支配を「不当」だったと認めたのは2007年。アルジェリアを訪問したサルコジ大統領が、「植民地システムはその性質からして不当であり、隷従と搾取にほかならなかったと発言した」(平野千果子「「人道に対する罪」と「植民地責任」」『「植民地責任」論』所収)と、一般的なかたちで認めたされる。

 日本の村山談話から遅れること12年だ。しかも、日本と同様、支配していた当時から違法だったと認めたわけではない。補償をしたわけでもない。
 
 日本の慰安婦問題は、こういう国際的な水準のもとで、あの安倍首相に何らかの措置をとらせなければならないという問題である。しかも慰安婦の方々が納得する措置をとらせるのである。

 いま、本の最後の部分、慰安婦問題で安倍さんは何をすべきかを書いている最中。難しい。

2014年12月15日

 選挙の結果、とっても象徴的でしたね。いろいろ課題も見えてきました。評価の基準は、安倍政権を終焉に追い込む上で、何が大事かということでしょうね。

 政党同士の構図は、本質的には、あまり変わりませんでした。選挙結果を受けて、安倍さんが改憲論議の推進を表明したことは、やはりここを狙っていたんだねということでしょう。

 ただし、野党第3党が、次世代から共産に変わったことには積極的な意味があります。何と言っても、安倍政権に対決するためには、対決する政党が必要ですからね。解散前と変化したのは共産党が伸びただけということなので、解散に踏み切った安倍さんの判断も問われることになるでしょう。 

 その共産党が伸びた分、次世代が壊滅状態になりました。安倍さんは、改憲の発議のためには、公明を切って次世代と手をつなぐという選択ができなくなったわけですから、誤算かもしれません。

 何と言ってもうれしいのは、沖縄の結果です。何回かブログでも書きましたが、本当に全員が勝っちゃいましたね。選挙の結果、自民、民主、公明、維新は、間違いなく比例選挙の廃止の方向に動くでしょうから、小選挙区で安倍路線に対抗する力を身につける必要があります。予定より少し遅れますが、2月のはじめに沖縄に行って、本をつくる準備をしてきます。

 そして、大事なのは、保革共闘を支える政策ですよね。安全保障分野では、まさに保革共闘をしているような「自衛隊を活かす会」が提言を出そうとがんばっていますので、引き続きご注目ください。