公明党が焦点になっているけどね

2014年6月13日

 世間はもっぱら公明党がどう屈服するかってことが焦点になっているようですね。どこかで条件をつけて結局は屈服するわけですが、私自身は、公明党がこの問題で何の役割も果たしていないとは思っていません。もちろん、どんな条件なのかにもよりますけどね。

 だって、公明党が野党になってしまえば、自民党だけで決めればよくなるので、安保法制懇報告のようなかたちのものが閣議決定されるわけです。あるいは石原新党を巻き込んで、もっとすごいものになるかもしれません。

 一方、公明党ががんばって、すごい限定がされたら、意味のあるものになる可能性もあります。たとえば、本日の報道によると、米本土へのミサイルを撃ち落とすなどはやらないけれど、民間の日本人を乗せた米艦船の防衛は認める、それだけにするという案もあるそうです。安倍さんが記者会見でのべたヤツですね。

 もちろん、一部であれ集団的自衛権を認めると、結局はなしくずしで拡大していくおそれはあります。原理として集団的自衛権を認めるわけですから、当然、その方向になっていくでしょう。

 だけど、この事例なんか非現実性の最たるものですから、実際にそのような場面が訪れることはないでしょう。ということで、安倍さんは、やはりどんどん拡大しようとするでしょう。

 でも、そこに時間差が生じるということです。その間に、選挙をやれば集団的自衛権反対の多数派が形成できるよう、安倍さんへの対抗軸をつくる努力をすればいいんです。

 集団的自衛権をめぐる現在の局面は、結局、安倍さんに多数を与えた国民の判断に支えられているわけですから、その国民の判断を変えることなしに、本質的に変わっていくことはないと思います。集団的自衛権に反対する政府が必要だと国民が判断するかどうかなんです。

 そして、くり返し書いているように、そのような政府をつくるとしたら、その政府はどんな防衛政策をとるのか、どんな軍事戦略をもつのかが問われます。自衛隊のことについては何もふれない防衛政策か、安倍さんのように自衛隊を海外で武力行使させる防衛政策か、それとも専守防衛と国際協調の防衛政策か、それを国民に問うていく必要があるのです。

 私が事務局をしている「自衛隊を活かす会」は、半年ほどシンポジウムを積み上げ、それを提示していく予定です。自衛隊を否定的に見るか、それを国防軍化していくかしか選択肢がなかった状況が、そこで大きく変わると思います。

 今国会で閣議決定されるかどうかは大事な焦点ですし、私も会期末の来週は東京に行くつもりですが、この闘いは、そういう根本的なことに回答がないと、結局、うまくいかないのだと考えます。まだまだ闘いはこれからなんです。

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