ロシア革命100年論は本になるか

2017年5月15日

 土曜日から東京に出てきています。土日は私用で、本日から木曜朝までは仕事。

 本日の午前中は某医療団体を訪問し、キューバ医療に関する本の作成についてご相談。問題は午後の仕事です。

 今年はロシア革命100年なので、何か本を出したいとずっと考えています。しかし、日本の論壇は(世界も同じでしょうけど)、ロシア革命のことなんか、否定するためにでさえ取り上げる機運はないでしょう。古代史の領域に入ったできごとみたいな感じと言えばいいでしょうか。というより、科学が相手にしない神話の領域と言ったほうがいいかも。

 そのなかで、何をテーマにして、どんな論じ方をすれば読者の問題意識を刺激するのか、なかなか見えてきません。レーニンについての現代的論じ方って、あるんでしょうか。社会主義を掲げる勢力だって、議論する対象としてはマルクスまでで、レーニンは否定の文脈でした問題にしない時代ですからね。

 あるとすれば、時代の矛盾を捉え、それを現実の変革に結びつけるには何が必要なのかということでしょうか。これだけ貧困と格差が蔓延し、憲法を踏みにじる政治が横行しているのに、安倍内閣の支持率は高いままです。われわれは、どこか間違っているのです。

 一方、100年前のロシアでは、少数に過ぎず、そのわずかな指導者も亡命を呼びなくされていたボルシェビキが、いつの間にか多数の心を捉えられるようになった。それだけでなく、実際に政権を握るまでになった。

 日本とロシアの変革勢力を分けているのは何なのか。もちろん時代状況は違うわけです。ロシア革命の負の部分を避けて通るつもりはありません。しかし、正も負も含めて、20世紀を特徴づける最大の影響を与えたものを生み出した力は何だったかというのは、あらためて検証する必要があるように思えます。何らかの影響を生み出す思想、行動はどうやって生み出されるのかということです。

 そういう問題を、昼間、知り合いの編集者と議論してきます。そして、夕方から夜にかけ、本を書きたいという人とも会って議論します。さて、どうなることやら。

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