泥さんと自衛隊を活かす会

2017年5月30日

 「自衛隊を活かす会」が17日に開催した政党対象の円卓会議「南スーダン後の日本の国際貢献」の動画をアップしました。珍しく最後まで真面目に司会を務めました。なお、いつも動画のあとにテキストもアップしますが、今回、テキストはありませんので、ご了解ください(10人ほどの国会議員に確認を求める煩雑さを避けるという、ただのサボりなんですが)。

 これ、泥憲和さんをお誘いし、泥さんも是非、出たいと言っておられたんです。これまで十数回のイベントをしましたが、その半分以上に参加されていましたし。泥さんのフェイスブックのトップにあるタイトル、「自衛隊を否定するのでもなく、国防軍や集団的自衛権に走るのでもなく」というのは、この会の設立趣意書からのパクリですし。すごく気持ちが通じ合っていたんです。

 泥さんが亡くなる8日前(25日)、最後のメールが来て、病状を伝えてくれたことはここで書きました。そのメールでは、もう「安静に最期を迎えることができるかという段階」に至ったので、対外的な活動を中止すること、「そういうことですので、自衛隊を活かす会にも後ろ髪を引かれるのですが、参加することができなくなったことをお詫びいたします」と書かれていました。

 17日の円卓会議のあと、当然、懇親会をしたのですが、もちろんその最初の乾杯は、伊勢崎賢治さんの音頭で泥さんに捧げました。泥さん、本当にご苦労様でした。

 そうしたら28日、NHKスペシャルで「変貌するPKO 現場からの報告」をやっていましたね。ご覧になりましたか。

 自衛隊を活かす会もこういうことをお伝えしようとしているわけですが、やはり映像はリアルですね。映像一般がリアルということではなく、真剣にいい映像を撮ったからそういうことが伝わるんでしょうね。

 一つだけコメントするとすれば、やはりオランダの教訓でしょう。スレブレニツァの惨劇というのは、日本の国際貢献の今後を考える上で不可欠なできごとですし、自分でもどの本かでそれを書いたことがあります。だけど、そのオランダが、それを教訓にして、これほど国際貢献の現実を国民にリアルに伝え、判断材料としていることは、まったく知りませんでした。

 もちろん、日本もそうしなければならないわけですが、オランダのように、何千人もの虐殺を自衛隊が見逃すというような体験をせずに、あるいは逆に自衛官が殺されるという体験をせずに、国際貢献のあり方を議論できるようにならなければいけない。そういうことが可能なのか、あるいは日本も同じ体験をしないと議論にならないのか、なかなか先が見通せません。泥さんだったら、どうしたんでしょうね。

 円卓会議では、南スーダンで実際に活動しているNGOの代表お二人が、リアルな報告をしてくれました。勉強になりました。ただ、議論の時間は不足していて、次の機会を必ずもうけるとお約束したので、それを実現したいと思います。

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