アベノミクス成功の条件

2013年5月28日

 日曜日は、神戸の元町映画館で、「ひまわり」を観た。「あまちゃん」ではかわいい能年玲奈ちゃん、映画では大人っぽかったなあ。

 昼食後、映画を観た方のうち、希望者が残ってトークと討論。私が沖縄問題でトークするということだった。リアルな映画を観たあと、私の話を聞きたいという人がそんなにいるはずはないと思って会場に向かったら、20人ほどがいてびっくり。突然、緊張……。

 トークは短く、討論時間の方が2倍ほどあって、しかも濃い質問ばかり。こういうのって、いいよね。考えが深まる機会になる。

 ひとつ考えなければならないのは、安倍さんをどう批判するのかだ。難しいのはアベノミクス批判である。

 何が難しいかというと、ずっとデフレが続いて閉塞感があるときに、ある種の期待が世論を覆っているからだ。そういうときに批判のやり方を間違えると、世論から総スカンを食いかねない。

 たとえばこの間、株の乱高下があった。それに対して、「アベノミクスの正体が早くも露呈」という感じの批判がある。それはそうなんだろうが、株が上がって期待が高まっているのに、株が下がるのを歓迎していると思われると、反発が広がるだろうと感じる。もっと極端にいうと、左翼は安倍批判をするためなら、日本経済が混乱した方がいいと思っているのかと受け取られると、最悪である。

 だから、「アベノミクス成功の条件はこれだ!」のような接近方法も必要かもしれない。どうでしょ。

 最終的には、賃上げがないと成功とはいえないことは、アベノミクス推進派も建前上は認めていることだ。しかし、かれらは、金融緩和をやって、実体経済が上向いたら、そのあとで労働者の売り手市場になって、ようやく賃金があがるという議論である。政府が賃金でできることは、最低賃金をあげる程度のことだと言っている。

 それだったら、少なくとも賃金が上がるまでは、消費税の増税は止めようねという接近はあるかも。インフレ率が2%になり、賃金が3%くらい上がったら、消費税3%は吸収できるだろうし。

 賃金が上がるという確信があるなら、それはできるでしょ。できないのは、賃金は上がらないと思っているからでしょ。そこを突いていくわけだ。そのことによって、実際の賃金上昇の力にしていけるなら、大きな成果でもあると言える。

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