秋の沖縄知事選挙に向けた戦略が必要だ

2014年1月20日

 名護市長選挙の結果は貴重だった。結果にかかわらず、前回の記事に書いたように、辺野古への移設は「できない」のだけれど、なるべく苦痛を減らす上では大事な意味がある。

 すぐに考え、具体化しなければならないのは、秋の知事選挙のことである。これも同様、知事選挙の結果にかかわらず、辺野古への移設は「できない」のだが、この問題をめぐる県民の苦痛をきっぱりと、早く解消するには、やはり選挙で勝つことが求められる。

 前回の知事選では、候補者である伊波さんの本を出し、あわせて安保容認派からの「沖縄に海兵隊はいらない」という本を出し、幅を広げようとしたことは、すでに書いた。同時に、自分でも『幻想の抑止力』という本を書き、それも含め、抑止力と安保・普天間問題を考える他社の本も含めてチラシをつくり、全国の書店にフェアを呼びかけたりもした。沖縄の30いくつかの書店には、自分で出かけていって営業もしてきた。選挙中、仲井真さんの選挙事務所の真ん前にジュンク堂那覇店があるのだが、そこに足を踏み入れると、伊波さんなどの本が山積みになっている状況を作り出せて、出版社には可能性があるのだなと実感した日々であった。

 だから、今回もがんばらないとダメだと感じている。どうするかなあ。

 前回は、安保反対派と容認派と、別々の本だったけど、今回は、最初からタッグを組んで、強烈にアピールするのもひとつの方法かなあ。それと、「できない」ことへの自覚がアメリカ側にも生まれていて、専門家のなかに県外移設案を検討する動きがあるので、それを大々的に紹介するのもあり得るかもしれない。

 同時に、この問題は、最後は、「そんなことをやって、抑止力が低下したら、日本の平和はどうなるのだ」という議論との闘いである。軍事大国化し、攻撃性を強める中国を前にして、どんな安全保障政策が合理的なのかを打ち出せないと、勝利は簡単ではない。

 そういえば、前回の知事選挙の最中、北朝鮮による韓国に対する武力攻撃があって、死者まで出たんだよね。そういうときに、日米安保についてモノが言えなくなったり、ただただ軍事力は全部ダメというしかなかったりでは、やはり選挙で勝つことはできない。中国や北朝鮮が攻撃的になればなるほど、「我々の安全保障政策が大事だ」と言えるものをもっていなければならない。

 ということで、九条の軍事戦略をバージョンアップしていく努力を今年中ずっと続けていくのだけれど、それは沖縄知事選挙とも絡んだ動きになる可能性もある。がんばります。

 

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