ポリポリ村のみんしゅしゅぎ

絵本で選挙を体験しよう

著 者

蒔田 純[文]・おかやま たかとし[絵]

ISBN

978-4-7803-1160-0 C8037

判 型

B5判変型上製 総ルビ オールカラー

ページ数

44頁

発行年月日

2021年05月

価 格

定価(本体価格1,800円+税)

ジャンル

児童文学・子どもの本

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小学生から選挙が体験できる仕掛け絵本。
ポリポリ村にドラゴンがやってきた!
追い払う?それとも、ドラゴンの鱗で村おこしする・?
どうするか、選挙で決めよう!
村にとってどちらがいいのか、考えて投票しよう!
投票先によって、物語がふたてに分かれるよ!

CHECK1 小学生低学年からの主権者教育にピッタリ!
CHECK2 投票先で物語が分岐するしかけ付き
CHECK3 みんなでディベートするアクティブ・ラーニングの教材にも最適

子どもたちの選択を尊重しよう 
ベアさんかディアさんか投票先を選ぶ際、まずは、決して大人が結論を出さず、あくまで子どもたち自身に考えさせ、選択させることです。少し時間をとり、子どもたちが自分なりの答えを見つけるのを優しく見守ってみてください。

大人は議論が進むようサポートする
 その一方で、子どもたちが考えやすいように論点を整理することや考えのきっかけを提供することは必要です。「この人はなぜこう考えたんだろう?」「これのメリット・デメリットは何だと思う?」といった問いを投げかけるなど、子どもの思考や子どもたち同士の議論が充実するよう、工夫をしてみてください。

「選挙は大切」と意義を伝える
また、子どもが選択をする際、それに伴う責任を感じさせることも重要です。もし子どもが「どっちでもいい」と言ったり、一度選択した後に「やっぱりこっちにする」と翻したり、あるいは「選挙なんかどうでもいい」とその意義自体を否定してしまったりした場合は、自分の選択が社会全体の今後に大きな影響を与えること、選択をしないことは社会の在り方への発言権を放棄することであること、などをきちんと説明し、理解させてください。

2016年に選挙年齢が18歳に引き下げられてから、学校現場での主権者教育はひろがりつつあります。とはいえ主権者教育の中心は中学・高校であり、小学校ではそれほど行われていません。
政治について学ぶのは、中高からでもいいかもしれませんが、主権者教育の根底に不可欠な「課題に対して、自分の意見を表明し、相手の意見も聞き、対立点について話し合い、意見をひとつに集約する」というプロセスは、早い段階から意識して身につける必要があります。
絵本『ポリポリ村のみんしゅしゅぎ』では、ポリポリ村に冬にやってくるようになったドラゴンを追い払うか、追い払わずに利用するか、どちらかを選択するため村長選挙が行われる、というお話です。
選挙の投票先によってストーリーは二つに分かれます。物語後半からは、本の右下にあるインデックス(スケジュール帖などについているものがイメージに近いです)で、別々の話を追っていく仕掛けになっており、子どもが自ら投票先を選択し物語を進めていくことで、選挙を疑似体験できるように作られています。
選挙の結果によって、村の状況は変わりますが、その際、村のはみ出し者で選挙にも行かなかったアブドンという登場人物の運命も大きく変わります。選挙の大切さだけでなく、投票権を放棄することが自分の発言権を放棄することである、ということも併せて理解できるように作られています。
ストーリーがとてもよくできており、また登場人物はみな動物で、子どもの好きなドラゴンも登場し、説教臭くないたのしい絵本になっています。学校現場だけでなく、一般のご家庭にもおすすめできる絵本です。

蒔田 純
弘前大学教育学部専任講師。小学生から主権者教育が必要との問題意識から、アニメーション動画「ポリポリ村のみんしゅしゅぎ」を作成し、それを用いた小学校での出前授業を2019年6月より開始している。現在までに16校で19回実施しており、その様子は多くのメディアで取り上げられている。

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読売新聞[21年10月5日]に紹介

秋田魁新報[21年6月9日]に紹介