縄文人がなかなか稲作を始めない件

縄文人の世界観入門

著 者

笛木 あみ

ISBN

978-4-7803-1251-5 C0021

判 型

四六判

ページ数

180頁

発行年月日

2022年12月

価 格

定価(本体価格1,500円+税)

ジャンル

歴史・地理

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余裕のない現代人必見!1万3000年の「ヒマ」が生み出す、縄文スピリット
土器はムダな装飾だらけだし、生活に必要ないのに話題の石を長旅までして取りに行くし、謎のモニュメント作りに途方もない時間をかけるし、健康な歯をわざわざ抜いちゃうし、なんだか縄文時代ってムダばかり?!
日本史上もっとも長い13000年の歴史をもち、その間戦争もなく、クニを作ることもなく、かたくなに自然との共生を続けた縄文時代。1万年の「ヒマ」が生んだ文化は、現代では想像できないほど濃密で、精神的豊かさに満ちていた。
本書では、歴史や教科書では見過ごしてしまう縄文時代の面白さを、専門書とはちがう噛み砕いたわかりやすい筆致で紹介する。縄文時代について習う中学生から、歴史を学びなおしたい大人まで、楽しく読める縄文時代の入門書。■中学生以上漢字ルビ付き
 和樂Webの人気連載を書籍化! 

 日本列島の歴史、ほぼ縄文時代問題
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 縄文人がなかなか稲作を始めない件
 縄文スピリット 今も昔もこれからも!

タイトルの通り、縄文人はなかなか稲作を始めませんでした。
北九州に稲作が伝わってから、関東で水田稲作が始まるまで、実に800年かかっています。
縄文人は、日本列島の変化に富んだ自然の中で豊かな暮らしをしていました。縄文遺跡から出土するさまざまな動物の骨や魚介類、狩猟を中心にしながら定住していたことからもそれがうかがえます。
稲作の普及に時間がかかったのも、その豊かさゆえにわざわざ大変な思いをして農耕をする必要がなかったからともいえます。
また縄文人は、お金も土地所有の概念も持たず、経済は贈与が中心だったため、集団の争いが起こりにくく、実際に縄文時代の遺跡には、大規模な戦争や王と奴隷のような極端な貧富の差も見られません。
500600年しか続かなかった弥生時代に比べ、縄文時代は1万年以上続きました。そこでは人々のエネルギーは成長ではなく、成熟に使われたと考えられます。出土した多種多様な土器・土偶・宝石類、環状列石・木柱列・盛土などのモニュメントなどがそれを象徴しています。 
本書では、歴史の教科書では数ページでスルーされてしまう縄文時代を、その時代の暮らしが具体的に想像できるよう衣・食・住にはじまるライフスタイルを紹介しつつ、そこに秘められた思想や死生観を描き出します。
現代は13千年続いた縄文時代が終わってからまだ2500年しかたっていません。いまなお日本には縄文スピリットを色濃く残す文化や信仰が存在しており、アイヌ文化や諏訪大社などにその影を追います。
専門書とは違う、わかりやすい文章とユーモアあふれる筆致で、縄文時代について学習する中学生から歴史好きの大人まで幅広い人々に読んでいただける縄文時代の入門書です。
想像力をフル回転させて描き出す縄文人の姿は、きっと読者の心を癒す事でしょう。

「WEB和樂」の人気連載を書籍化。縄文ブームが続いているが、本書はライトなタッチで面白おかしく縄文人の暮らしぶりがわかる内容。日々の生活に息苦しさを感じる現代人が、縄文人の豊かで自由な「縄文スピリッツ」に触れ、広い視野を習得してくれるとうれしい。

笛木 あみ
ライター。横浜生まれ。お金を貯めては旅に出るか、半年くらい引きこもって小説を書いたり映画を撮ったりする人生。モノを持たず未来を持たない江戸町民の身軽さに激しく憧れる。尊敬する人は縄文人。縄文時代と江戸時代の長い平和(a.k.a.ヒマ)が生み出した無用の産物が、日本文化の真骨頂なのだと固く信じている。

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