絵本のつぎに、なに読もう?

絵本のつぎに、なに読もう?

幼年童話と過ごした日々

著 者

越高 綾乃

ISBN

978-4-7803-1226-3 C0095

判 型

四六判変型

ページ数

120頁+口絵8頁

発行年月日

2022年06月

価 格

定価(本体価格1,500円+税)

ジャンル

文学・小説・エッセイ

読み終えたときの喜びを味わえるのは、本当に限られた時期だけの貴重な体験
「幼年童話に慣れ親しんだことが、長い読み物を読むためのステップになっていた」という綾乃さんが、幼年童話と過ごした日々の記憶を思い起こし、当時の気持ちを丁寧に振り返ります。
ひとりの子どもが「物語」と出会うとき、その内面でなにが生まれるのか。子どもと本をつなぐためのヒントが詰まった、ブックガイドにもなるエッセイ集です。
エッセイ16本+コラム4本のほか、現役小学生との対談も収録

はじめに
冒険のはじまりはぬかりなく——エルマーのぼうけん
みんなのあおぞらようちえん——おおきな おおきな おいも
いつでも遊びに行ける場所——おひさま はらっぱ
「悪い子」だからこそ愛おしい——きかんぼのちいちゃいいもうと
見守られている安心感——こぐまのくまくん
大切なものはずっとそばにある——ジェインのもうふ
モヤモヤした感情の心強い代弁者——ちいさいモモちゃん
にんまり余韻に浸る——どろんここぶた
「わたし、ちゃんと最後まで読めたよ」——はじめてのキャンプ
紙とクレヨンがあったら、なにつくる?——ももいろのきりん
のんびり、ぽわぽわ へなそうるワールド——もりのへなそうる
ごっこ遊びの天才——ロージーちゃんのひみつ
いつだって「これが私!」——ロッタちゃんのひっこし
こんなのあり? 型やぶりなヒーロー——ロボット・カミイ
姉妹っていいな!——雪の森のリサベット
「いまの自分」を映す存在——百まいのドレス
*コラム*
 読んでもらう楽しさ、自分で読む楽しみ
 みんなと一緒に読んでもらうこと
 本とごっこ遊びの関係
 もう手に入らない本のこと
*対談*
どんな本が好きだった?
 ななちゃん×越高綾乃

松本市の老舗児童書専門店「ちいさなおうち書店」に勤務する越高綾乃さんが、海外児童文学の名作について自分の体験とともに紹介した著者初のエッセイ集『つぎに読むの、どれにしよ?』(212月刊行)は、大変好評で、いまも売れ続けています。
この書籍を刊行後、著者の元には多くの反響が寄せられ、その中で一番多かったのは、「どうやって絵本から読み物に移行したのか?」という質問と「幼年童話のおすすめを教えてほしい」というものでした。そこで今回は、幼年童話のブックガイドをつくることにいたしました。
読み聞かせなどの浸透で絵本に注目が集まるなか、文章を主体とする幼年童話は、児童文学と絵本の狭間で日陰の存在になっているように感じます。本書では、絵から文章への移行期において重要な役割を果たす幼年童話の世界にあらためて光をあてます。エッセイ、コラムのほか、現役小学生との単談も収録しており、楽しく気軽に読めるブックガイドになっています。

ひとりの子どもが「物語」と出会うとき
『絵本のつぎに、なに読もう?―幼年童話と過ごした日々』は、2021年2月に刊行した『つぎに読むの、どれにしよ?私の親愛なる海外児童文学』の姉妹編です。
『つぎに読むの、どれにしよ?』を刊行後、著者の越高綾乃さんのもとへ「どのようにして(収録作品のような)長い物語が読めるようになりましたか?」という質問が多数寄せられました。その問いにたいして、一言で答えられるようなメソッドはないなぁと思いつつ、綾乃さんが思い当たったのは、「幼年童話に慣れ親しんだことが、長い読み物を読むためのステップになっていた」ということでした。
また、編集としても、以前から「上質な幼年童話」を熱望される図書館司書の皆さんの声を耳にしており、児童書専門の版元ではないながらも、その声に応えるためになにかできないかと考えてきました。
そうして、子ども時代の読書体験の話、好きだった本のこと、いまも好きな本のことなど、お互いの「本の話」をたくさん積み重ねながら、つぎの本のテーマを決めるに至りました。
越高綾乃さんは、幼年童話と過ごした日々の記憶を思い起こし、当時の気持ちを丁寧に振り返ってくださいました。本書のポイントはなんといっても、「綾乃さんの誠実さ」にあると思っています。この記憶や気持ちがほんとうに当時のものか、後付けのものではないかどうか、ということを、誠実に、真摯に、ご自身に問いながら書いてくださいました。当時の感情を的確に言葉に置き換えること、そして伝えること、の大変さは、誠実であればあるほど大きかったはずです。
ひとりの子どもが「物語」と出会うとき、その内面でなにが生まれるのか。その豊かな世界を味わってみてください。
巻末には、当時小学生だったななちゃんとの、世代を超えた本好き同士のメール対談も収録しています。本を通じて仲良くなると年齢や年代はひょいっと飛び越えてしまうものです。そんなことを実感できる対談となっております。
さいごに。先日、「若い保育士さんたちが本書をめくりながら『知っている』『読んだ/読んでもらった覚えがある』と言ったのは、唯一『エルマーのぼうけん』だった」という話を聞きました。子どもたちとともに過ごしながら、ご自身の「新たな出会い」に繋げていっていただけたらどんなにいいだろう!と夢想しています。
素敵な出会いと物語が生まれますように。

越高 綾乃
長野県松本市生まれ。児童書専門店「ちいさいおうち」の一人娘。大日本絵画、評論社営業部を経て、現在、ちいさいおうちにて広報を担当している。2021年1月に弊社より『つぎに読むの、どれにしよ?——私の親愛なる海外児童文学』を刊行。

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