くらしの中の化学物質

くらしの中の化学物質

リスク削減のために

編著者

化学物質リスク研究会

ISBN

978-4-87699-797-8 C0036

判 型

A5判

ページ数

160頁

発行年月日

2004年02月

価 格

定価(本体価格1,500円+税)

ジャンル

環境・自然科学

有害物質とどうつきあうのか
化学物質は暮らしに便利さをもたらしたが、一方でリスクが深刻化している。20世紀の教訓、食の安全や「ごみ」問題など8人が提言。

出版によせて
I 化学物質と人間 20世紀の教訓は何
 人工の化学物質の時代——20世紀/21世紀は「多元価値社会」/フロンを例に考える/環境ホルモンとダイオキシン/リスク評価・リスク削減をどう見るか/化学物質の毒性はエンドレス/情報公開は重要な原則/どういう社会や地域をつくるか
II レイチェル・カーソンに学び、食とくらしを見直す
 40年前『沈黙の春』で警告/20世紀のツケが今/「食の安全」をめぐって/「別の道」への歩みを/スローフード、スローライフのすすめ
III ミナマタの経験と教訓
 水俣病被害はいかにしてもたらされたか/最初の異変は自然界に/希釈によって見えなくする汚染のリスク/胎児への侵襲/目的外の副生物の把握・管理/アマゾン水銀汚染問題——市民がつないだ日本の経験
IV 化学物質汚染と健康障害
 1.はんらんする有害化学物質/2.化学汚染と健康障害の広がり/3.化学物質のさまざまな毒性/4.リスクアセスメントと安全基準/5.屋内大気汚染とシックハウス/6.ダイオキシン汚染と食の安全/7.化学汚染のリスクを減らすために
V 化学物質のリスクの削減と予防原則
 1.化学物質のリスクを削減するためには/2.予防原則適用の確立のために
VI 子どもの健康と化学物質リスク
 未来世代の健康被害は大きな損失/胎児からの環境予防医学/病気の環境要因と遺伝要因の関係/現実認知と生活介入的教育の大切さ/環境的素因は変えられる/体内に化学物質が入ると…/環境ホルモンの生体作用の特徴/臍帯から検出された化学物質/汚染されていない世界に住むのは基本的人権/複合影響と子どもに合わせた評価/環境教育とリスクコミュニケーション/胎児は自分の意識で選択できない/医学的な研究成果も踏まえて/環境健康予防医学の確立へ
VII ごみと化学物質リスク「家庭系有害廃棄物」問題を中心に
 1.現代社会の化学物質リスク/2.廃棄物に由来する環境汚染の事例から/3.家庭系有害廃棄物とは/4.家庭系有害廃棄物の実態/5.もとめられる家庭系有害廃棄物の適正処理システム
VIII 家庭系有害廃棄物の管理システムと分別収集
 1.はじめに/2.家庭や小規模事業者から排出される有害廃棄物/2—1 排出・処理の事例/2—2 家庭系有害廃棄物処理の現状と有害性分類の検討/3.おわりに
あとがき

化学物質リスク研究会
「くらしと協同の研究所」の研究助成を機に組織された研究会。
現在は同研究所の登録自主研究会として活動を継続している。レイチェル・カーソン日本協会、消費者団体のメンバー等で構成。