2018年8月7日

 ようやく450頁もある北朝鮮人権報告書を読み終えた。人間はやはりつねに勉強しなければならないと痛感した。ブログ記事を書く余裕がないほど頭が疲れているけど、少しだけ書いておく。明日からはもっと書こうかな。

 例えば拉致問題。ただでさえ解決困難だとみられていて、核・ミサイル問題が焦点となるなかで、どうするのかが問われている。

 以前、金正恩が指導者になったことで、解決する可能性が生まれたと思った時期があった。だって、拉致は金正日が指示した犯罪だったわけで、そのもとで解決しようと思っても難しかったわけだ。自分の責任につながっていくわけだから、経過や責任を曖昧にしようとするだろうし、そうなると日本側の感情が許さなくなる。でも、金正恩なら、自分のやったことではないので、責任を明確に出来ると思ったのである。

 けれども、金正恩の最高指導者の地位というのは、金正日が決めたもので、その金正日が神聖であることが金正恩の地位を現在のものにしている。金正日が拉致という犯罪を主導したと認定することは、金正恩の地位を脅かすことになる。だから、難しい。

 しかし、この報告書のなかには拉致問題を解決する基準のようなものが示されている。この報告書って、日本政府が推進した決議にもとづいて作成され、その中身も日本政府が支持しているもので、だからこそ短い核兵器禁止条約の訳文さえつくらない外務省が、これは全文訳しているわけだ。そこにこういう記述がある。以下、本日は紹介するだけに止める。

 「外国人に対して行われてきた強制失踪は遠い過去の犯罪ではない。これは現在も継続している犯罪であり、被害者の消息が完全に明らかにされるまで終結することはない。……強制失踪の場合、犯罪行為の全容が明らかになったときには被害者はすでに亡くなっていた、というのは残念ながら決して珍しいことではない。失踪者が実際に亡くなっていた場合、被害者の家族が気持ちに区切りをつけるためにも、当局者は失踪の状況を解明し、被害者の遺骨を家族のもとに送還することに全力を挙げることによって、継続中の犯罪を終結させるべきである。」