今年書く本について変更

2014年3月6日

 新年にここで紹介したように、今年は、戦争の原因について考える本を書く予定をしていました。まだまだメモをつくる段階なんだけどね。

 だけど、変更しました。いまの情勢からして、うちの会社としても出さなければならない種類の本があって、それを私が書くことにしたので。

 ひとつは、『虚構の集団的自衛権──「安保法制懇」報告を徹底解剖する』です。すでに政治の話題は集団的自衛権へとシフトしていますが、4月に報告が出されれば、安倍さん、一気に突っ走りそうです。そのときに、うちの出版物としてこの問題がないと、出版社としての役割が果たせません。

 そこで、この報告の解剖と批判に焦点をあて、本を書くことにしました。早ければ6月が閣議決定ということですから、5月にはないと間に合いません。4月に報告がでて、それを読んで書くわけなので、執筆にあてる時間は1週間とか10日ということになるでしょうか。

 もちろん、事前にもそれなりの準備はしますけれども、この報告が今後の改憲勢力の理論的な基礎となるわけですから、それにかみあったものでなければなりません。だから、どうしても読んだ上で書くのでなければね。

 もうひとつは、『13歳からの領土問題』です。6月刊行かな。

 これはシリーズ化されているもので、これまで、『13歳からの平和教室』(浅井基文)、『13歳からのテロ問題』(加藤朗)、『13歳からの拉致問題』(蓮池透)をつくってきました。それに加えるということです。

 安倍さんが教育の分野でもいろいろ企んでいますよね。教育委員会の制度問題とか。同時に、教育内容の分野では、竹島や尖閣についてちゃんと教えろということで、いろんな圧力がかかっています。

 そういうなかで、昨年、学校図書館向けに『領土を考える』という3巻本を出しました。第1巻が「領土ってなに?」、第2巻が「日本の領土問題を考える」、第3巻が「世界の紛争と領土問題」です。

 安倍さんがいろいろ言ってくれるものだからでしょうか、1冊が2800円もするこの本、売れ行き順調なんです。ということで、この内容を、1冊1600円程度の『13歳からの…』シリーズに加えれば、ヒット間違いなしということで。もともと自分で書いたり、監修したりした本なので、つくるのはむずかしくありませんから。

 昨年、『憲法九条の軍事戦略』を書いたときは、「これで出したい本は出し終わった、あとは趣味で」と思ったんです。でも、なかなかそうはいかないもんですね。書きたいものがたくさん出てきました。この次に書きたいのは、韓国や中国との歴史認識にかかわるもので、左右の原理主義を批判しつつ、日中韓の国民的な合意が得られるような本です。どうなるか分かりませんが。

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