女がひとりで
パレスチナ占領地を往くイスラエル人の物語
| 編著者 | イラナ・ハメルマン:著 樋口 範子:訳 |
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| ISBN | 978-4-7803-1432-8 C0036 |
| 判 型 | 四六判 |
| ページ数 | 224頁 |
| 発行年月日 | 2026年03月 |
| 価 格 | 定価(本体価格1,800円+税) |
| ジャンル |
かつてここには、壁を越えようとしたひとりの女がいた。
本書は、イスラエル人のイラナ・ハメルマンが2016年までの約30年間にわたり、イスラエルと占領下パレスチナで目の当たりにした出来事を記録したルポルタージュ集である。
検問所でのやりとりや労働許可証をめぐる不正、少年や労働者の不当な拘束、囚人との面会、パレスチナの子どもたちとの海水浴といった場面を、自身の体験を通して具体的に描き出している。政治的な主張を声高に掲げるのではなく、現場で出会った人々の姿や感情を細部にわたって記録することで、占領がもたらす理不尽さと人間の尊厳の脆さを浮き彫りにしている。29話からなる本書は、個人の証言を積み重ねることによって、パレスチナの現実とそこに生きる人々の声を伝えようとする。
そこには、「占領地を見ることの責任」目を背けないことの意味」があり、イスラエル社会における無関心や他者への隔たりに対する強い違和感がある。そして、それを超えるための一市民の小さな実践ー見に行く、話しかける、助けるーを積み重ねていくことの尊さを静かに訴える。
日本語版刊行にあたって
1 マオリの国で
2 パレスチナの人々
3 ヨルダン川西岸地区の労働者たち
4 囚われた者たち
5 パレスチナの四人の子どもたち
6 ヘブロンの春
7 ガザ地区を一人称で語る
8 エルサレム 安息日前の三話
9 ガザを訪ねて
10 公開質問状
11 わたしの反戦
12 ふたたび反戦を
エピローグ
訳者あとがき
イラナ・ハメルマン(いらなはめるまん)
1944年イスラエルのハイファで、家族をホロコーストによって失った両親の元に生まれる。パリのソルボンヌ大学にてフランス語、フランス文学、英文学を、ヘブライ大学にて比較文学、アラビア語とアラブ文学を学ぶ。ドイツのビーレフェルト大学にて博士号を取得。ノンフィクション作家であり、同時にドイツ語とフランス語、スペイン語のヘブライ語翻訳家としてカフカ、カミュ、ニーチェ、マルケスなどの訳書がある。活動家として大手新聞の「ハアレツ」に寄稿。イスラエル大手出版社アム・オベッド社で27年間編集者として勤務した後、アフザット・バイト社の編集者として現在に至る。
樋口 範子(ひぐちのりこ)
1949年東京に生まれ、立教女学院高校卒業と同時にイスラエルに渡り、二年間キブツ・カブリのアボカド畑で働く。帰国後、山中湖畔にある児童養護施設の保育士、パン屋、喫茶店運営を経て、現在はヘブライ文学の翻訳をライフワークにしている

