2013年5月14日

 一連の安倍さんの発言を聞いていて思うのは、内部にすごいフラストレーションをため込んでいるのだろうなということだ。日本は何も悪いことをやっていないのに、東京裁判で裁かれ、いやいやそれを受け入れてやったのに、いつまでもまわりの国から侵略と植民地支配を責められる。いつかこの恨みを晴らしてやるぞ。そういう気持ちで凝り固まっているのだろう。

 そういう歴史の見方に対しては、すでにいろいろな批判がある。私も書いた。でも、それこそ学問的とか、政治的とか、法的とか、そういう議論を超えた問題を、安倍さんの発言は抱えているように思う。
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2013年5月13日

 というタイトルで、この秋、本が出ます。ようやく目途がついたので、今後、いくつか記事を書いていきます。著者は、福岡大学の星乃治彦先生です。

 ドイツの左翼勢力は、ベルリンの壁崩壊とともに崩れ落ちると思われたんですね。90年の選挙では、わずか2.4%に落ち込み、本当なら有名な5%条項に阻まれて、議席を獲得するなんてできないはずでした。
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2013年5月10日

安倍さんの侵略問題での発言が、引き続き波紋を呼んでいる。先日、この記事でもとりあげた「侵略の定義」と題する国連総会決議についても国会で議論があり、記事で予想した通りの答弁があったようだ。

 安倍さんは、侵略の定義は政治的なものであって(どちらの国から見るかで異なる)、学問的には固まった概念ではないという考えである。しかし、これも先の記事で書いたとおり、侵略の定義は、国際刑事裁判所規程で侵略犯罪を裁くことが合意されたことにより、すでに法的な概念になっている。
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2013年5月9日

 高知に行ったとき、某新聞記者の方から、「是非、自由民権記念館を見学すべきだ」と勧められたんです。それで翌日、長時間かけて見てきました。

 いやあ、充実していました。高知の自由と独立の伝統って、こうやって血肉になっているんだなって思わされました。

 仕事に関係して面白かったのは、楠瀬喜多(くすのせ・きた)の話でした。参政権と税金の話です。

 高知が婦人参政権の先駆けとなったことは、耳学問で知っていました。明治時代に一時期、実現されたんですよね。

 でもそれが、税金とかかわった話だというのは、見学するまで知らなかったんです。展示物を見て分かったことは以下のとおり。
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2013年5月8日

 各種の世論調査を見ると、安倍さんの96条改正先行という考え方に対し、あまり賛成は多くなさそうだ。経済問題をはじめ絶好調に見えるし、改憲を望む世論も多いのに、なぜそうなるのだろうか。

 安倍さんが96条先行という考えに至ったのは、いろんな理由があるだろう。最初に9条を変えるというのでは反発も大きいだろうが、96条だと単なる手続きだし、賛成派を増やしやすいと感じたかもしれない。あるいは、国民の投票権を国会が侵しているという論理は、国民から支持されるだろうという思惑もあっただろう。そうやって改憲を経験すれば、国民は次第に改憲になれていって、大きな改憲へのハードルが低くなると感じただろうしね。
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