2015年11月5日

 びっくりでしょ。「光栄です」といって了解しました。

 「左翼ガンバレ!」みたいな特集をするらしいんです。いやあ、どうしたんでしょうね、「SAPIO」。

 編集部の意図がどんなところにあるか正確に掴みきれた自信はありませんが、久しぶりに左翼が政治社会のキーワードになり得ることは、現実でしょうね。戦争法をめぐって、安倍さんに対抗する力をつくれるかどうかは、たんに左翼界隈ではなく、それなりの関心事になっていますから。

 よく、右派的な言論がメディアを覆い尽くしているという見方がされますよね。あるいは、ネトウヨをつくりだしたのは小林よしのりだ、とか。

 表面的にそういう捉え方ができないことはないでしょうけれど、私は、全然違うと思っているんです。もし、右派的な言論が台頭してきたときに、左派の側が、世論の支持を得られるような言論を展開できていれば、いまのような事態にはならなかったわけです。だから、右派的な言論がイヤだという人は、その問題点を批判するヒマがあるなら、自分の言論を世論に通用するまでのものに磨かなければならないと感じます。

 って、今度私が書くことが、「SAPIO」読者の心をつかめるかどうかは、分かりませんけどね。井上達夫さん(『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください』の著者)なんかも書くことになっているそうで、楽しみです。

 私が書くのは、「出でよ! 軍事戦略をもつ護憲派」という感じかな。改憲派は、改憲しないと防衛できないと主張し、護憲派は、防衛政策には見向きもせず、結局、日本ではちゃんとした防衛戦略がつくられませんでした。そのため、防衛戦略を持っているのは政府与党だけになり、その政府与党の防衛戦略がとんでもないところにいってしまうと、周りにはまともな戦略がないというのが現状だと思います。

 ですから、左派の側が信頼性のある防衛戦略を打ちだせることができれば、それなりの影響力を発揮できるのではないでしょうか。その辺りのことを書いてみるつもりです。今月中に出るのかな?

2015年11月4日

 「自衛隊を活かす会」はこのタイトルで次のシンポをすると本日朝に告知したところ、午前中に30名近い参加申込みがあり(忘年会も11名)、おそらく本日か明日には申込みを締め切ることになると思われます。私のブログ読者で参加をご希望の方は、お早めにお申し込み下さい。以下、「会」のメール。

 お久しぶりです。新安保法制の成立をふまえ、当会の今後の予定が具体化してきましたので、お知らせします。

 一つは、「新安保法制の予想される発動事例の検証」をテーマに、いくつかシンポジウムを開催します。その第一回目は、いま焦点となっている南シナ海問題です。「南シナ海──警戒監視のための自衛隊派遣をどう見るか」と題して行います。

 報告者は全員が当会のシンポジウムに初参加の方々です。
 太田文雄(元海将・情報本部長)
 石山永一郞(共同通信編集委員)
 津上俊也(元通産省北東アジア課長)
 終了後、会場近くで忘年会(会費3000円)も行います。

 今回、会場の関係で80名が定員となります(忘年会は20名)。メディア関係者も含め事前の予約が必須となり、定員に達した場合は受付を終了します。もし、予約したが来られなくなったという場合、そのご連絡をいただければ予約待ちの方にお伝えすることができますので、ご協力をお願いします。

 日時:12月22日午後6時〜(開場は午後5時45分)
 場所:岩波セミナールーム
 会費:1000円(資料代)
 申し込みはホームページからお願いします
 http://kenpou-jieitai.jp/symposium_20151222.html

 なお、第二回目は、「南スーダン──駆けつけ警護で自衛隊はどう変わるのか」がテーマです。来年1月30日、北海道の札幌市で開催予定ですが、詳しくは別途お知らせします。
 これと平行して、「戦場における自衛官の法的地位」に関する研究会を、海外の専門家などをお呼びして実施する予定です。これについても詳しくは別途お知らせします。

                      自衛隊を活かす会 事務局

20151222シンポ_案内チラシ

2015年11月3日

 昨日、午前中は京都で仕事。昼に新幹線に乗って、夕方から東京で何人かとお会いする。

 まず、来年1月に刊行する『マルクスならいまの世界をどう論じるか』の打合せをして、ついでにその著者と訪ねるロシア、イタリアの旅の相談。ロシアでコミュニズムの立場を貫いている学者(もちろんロシア共産党とは何の関係もない)にソ連崩壊の原因を語ってもらったり、イタリア共産党の大幹部だった人に共産党解体の経過を聞いたりと、豊かな旅になりそう。

 夜は、「未来への歴史シリーズ」で取り上げるある人物について、ある方とご相談。難しい問題も多いが、何とかして実らせたい。

 その相談をしている最中、日韓首脳会談のニュースが知らされた。慰安婦問題を全体として前向きに、早期に解決しようと合意されたとか。

 朝、詳しく新聞で見たけれど、想定通りの方向だね。法的に決着済みという日本側の態度は変えない範囲で、いろいろと模索しているのだろう。

 だから、いずれにせよ問題は、そういう解決策を韓国側がどう受け入れるのかということになってくる。挺対協のなかには、慰安婦が生きている間に解決するという考え方について、妥協するくらいなら慰安婦が死に絶えることがあっても原則を貫くべきだという立場の人も少なくない。

 そういうなかで、法的責任を回避している河野談話の重要性、人道的責任を果たすということの重みなどについて、韓国世論が納得するためにどう働きかけていくかが、これからの大切な課題である。妥協が妥協ではなく、理想へのステップだということを理解してもらうのである。

 批判を受けようとも、私は私の立場を貫いていきたい。それが慰安婦の方々にとって大事なことだと思うので。