2014年6月2日

 浜地道雄さんという方がいる。某ウェブページのプロフィール欄にあるように、ニチメンに入社し、長く中東で石油を扱っていたそうだが、現在は独立し、国際ビジネスコンサルタントとして活躍しておられる。

 この方、親米派を自称し、安倍政権の政策についても、条件付ながら賛成している。だけど、安倍さんの改憲姿勢にだけは異論を持っていた。国際ビジネスマンとして世界を駆け巡ってきた経験から、日本が世界の平和をリードできる立場にあることに確信を持っていたそうだ。

 そして今年初め、憲法九条をノーベル賞にという主婦のアイデアを新聞で知って感銘を受け、得意の英語力、国際交渉力を活かして、この運動を推進してこられた。ここに詳しい記事がある。私が書いた『憲法九条の軍事戦略』にも目を通してくださり、このブログの読者でもあるとのことで、先日、是非この運動に協力してほしいというメールをいただいたのである。

 もちろん、この運動のことは早くから報道されていたので、以前から知っていた。だけど、実ればいいなという期待を持ってはいたが、実際には困難(不可能に近いほど)だろうとも思っていたのだ。

 もちろん、いまでも困難さには変わりはないだろう。しかし、推薦が受理されること自体が難しいだろうと思っていたのに、そこをクリアーした。「このままではダメ」という状況をクリアーする意欲と知恵はすごいものだ。物事が動くときというのは、こういう力が働くのかもしれない。

 ここまで来れば、私としては、九条がノーベル平和賞を受賞し、日本を代表して受賞演説をする安倍さんが九条を褒める場面を見たいのだが、どうだろうか。そういえば、石原さんだって、オリンピックを東京に招致するとき、「憲法の効果もあって平和でこられたのは歴史の事実としてたいしたもの」と語った(毎日新聞2月14日)。IOC会長宛の手紙のなかでは、こんなことまで言っていた。

 「私の祖国日本は、第二次大戦の後、自ら招いた戦争への反省のもと、戦争放棄をうたった憲法を採択し、世界の中で唯一、今日までいかなる大きな参加にまきこまれることなく過ごしてきました」

 石原さんにできるのだから、安倍さんにもできる。どうですか、演説の準備をしませんか?