2014年6月10日

 すでに公表していますが、第2回目のシンポジウムは、7月26日(土)の午後です。場所は近くお知らせできると思いますが、初回に懲りたので、2倍ほど広い会場をとる予定です。

 そしてテーマは、このタイトルにある通りです。「対テロ戦における日本の役割」。

 どう思いますか。あまり日本では議論されていないので、なじみがないかもしれません。だけど、そこが問題だと思うんですよ。

 集団的自衛権の解釈改憲を提唱した「安保法制懇」報告ですが、あれって、日本をめぐる安全保障環境が大きく変化しているから、集団的自衛権の行使が必要になっているという立場ですよね。それで、冷戦時代と比べて、安全保障環境が変化しているのは事実なので、なんとなく防衛政策の再検討が必要だという感じを受けるわけです。

 それで、「安保法制懇」報告が、この変化の最初にもってきているのが、テロの脅威ということです。以下のように書かれています。

 「2、我が国を取り巻く安全保障環境の変化
 我が国を取り巻く安全保障環境は、一層厳しさを増している。このような傾向は、08年の報告書の時に比べ、一層顕著となっている。
 第一は、技術の進歩と脅威やリスクの性質の変化である。今日では、技術の進歩やグローバリぜーションの進展により、大量破壊兵器およびその運搬手段は拡散・高度化・小型化しており、また、国境を越える脅威が増大し、国際テロの広がりが懸念されている」

 変化が6つ列挙されるんですが、テロの脅威というのはその冒頭にくる位置づけなんです。テロリストが大量破壊兵器を取得し、国境を越えればどうなるんだという危機意識ですよね。

 だったら、どんな事態が想定され、なぜ集団的自衛権が必要なのかがあきらかにされ、議論されなければなりません。当然のことです。

 だけど、政府は15事例とかを出してきたし、与党協議でもいろいろやっていますが、テロ問題がどうなっているのか、さっぱり報道されません。政府の想定する事例にはないし、協議の主題にはなっていないんです。安保法制懇の報告書でも、危機を強調する場面だけテロという言葉が出てくるけれども、集団的自衛権を行使することを論じる場面では出てこない。

 そうなんです。テロに対して、集団的自衛権は無力なんです。それなのに、テロを利用して、集団的自衛権を行使できるようにしようとしている。なんじゃい。

 しかし、まじめに世界の平和を考えるなら、テロ問題での日本の役割、自衛隊の役割を論じるべきでしょう。というか、まじめに世界平和を考える人々こそ、この問題でリードしなければなりません。政府、与党がなおざりにしているから、やらなければなりません。

 ということで、準備します。詳しい紹介は、シンポの一カ月ほど前になると思います。しばらくお待ちください。